保護者ら期待と不安の声 2022年度から3学期制へ 佐世保市立小中学校 

3学期制に変更する方針を決めた定例教育委員会=佐世保市保立町、市総合教育センター

 佐世保市立小中学校の学期制について、佐世保市教委が2022年度から3学期制に変更する方針を決めた23日、学校関係者は冷静に受け止める一方、保護者や市民からは子どもの学力向上に対し期待と不安の声が交錯した。

 2学期制は子どもと向き合う時間の確保など、一定の効果をもたらしたとされる。市内の小学校の校長は変更の方針に驚きながらも、「子どもに向ける情熱は変わらない」と強調。中学校の教頭も「今までも3学期制でやってきた」と冷静に話した。その上で「教員の業務内容や働き方も見直し、時代に合った3学期制にしてほしい」と注文を付けた。
 市教委が18年に実施したアンケートで、3学期制を望む声が多かった保護者。小学5年の長女と2年の次女を持つ高梨町の会社経営、豊村明希子さん(41)は「通知表の回数が増え、子どもの学力を把握しやすくなるので、うれしい」と歓迎した。2学期制の導入に伴って始まった個人面談の役割を評価する意見も。小学6年の長女と3年の次女を育てる皆瀬町のパート女性(42)は「面談では勉強や友達付き合いなど子どもの課題に応じた話を集中して聞ける。2学期制のままでいいのではないか」とした。
 佐世保市で2学期制が提唱された03年の市民会議に参加した佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)元教授の井手義道さん(80)は3学期制によって、教員の指導力を高める機会が増えると評価。「子どもを評価することは教員が自らの指導力を振り返ることにつながる。学力向上を目指すなら、3学期制に戻すことは当然」とした。

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