暖冬 長崎県内農家、小売店に打撃 野菜安値で食卓は恩恵 家電や衣料は振るわず

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暖冬の影響で安値になったレタスなどが並ぶ店頭=長崎市築町、中村屋

 冬らしくない暖かい日が続き、長崎県内でも野菜価格や冬物商品に影響が出ている。キャベツやハクサイなどは生産過剰で価格が低下。前年の半値で販売する店もある。消費者は恩恵を受けるが、農家にとっては痛手。小売店でも冬物の衣服や暖房器具の売れ行きが鈍く、関係者らは早くも次期シーズンでの挽回を口にする。

 長崎市の卸売業、長果によると昨年秋ごろから葉物野菜を中心に価格が下がり始めた。野菜が順調に成長して豊作であることに加え、数年前から中国や台湾などからの輸入も増え、飽和状態が続いていることが要因。競り後も在庫が残っているという。
 長崎市の青果店、中村屋ではキャベツ、レタス、ダイコンがいずれも98円と、前年同期と比べほぼ半値を付けている。市内の主婦(60)は「安いときにたくさん買ってピクルスを作っているので、料理の幅も広がりうれしい」と話した。
 冬の食卓にも変化が見られる。長崎市のスーパー、ララなめしの本多克徳店長によると、ハクサイは前年より50円ほど安くなっているが売り上げは20~30%減。カキも同様で、鍋物用の食材の需要が伸びていない。暖かさから菜の花など春野菜が早くも一定量出回っており、同時期と比べて100円ほど下がっている。
 安値を喜ぶ消費者と対照的なのが野菜農家だ。JA島原雲仙南串レタス部会の本田健吾部会長(52)=雲仙市南串山町=は「品物は良いのに価格が上がらず悔しい」とため息をつく。利益は1箱(12個入り)当たりの目標額の10分の1にとどまる。「冬は冬らしく寒くなってほしい」と祈るように語る。
 長崎地方気象台によると昨年12月の長崎市の平均気温は10.6度。2000年以降で3番目に暖かかった。小売店も影響が避けられず、長崎市の複合商業施設ハマクロス411は「セールになってもコートやダウンに飛び付く人が少ない」と嘆く。浜屋百貨店(長崎市)は10月の増税との「ダブルパンチ」で、売り上げは前年比7~8%減った。担当者は「冬物では挽回できない。春物で取り返したい」。
 長崎市のベスト電器長崎本店は例年、10月中旬ごろから動きだすエアコンや石油暖房、電気暖房などの季節商品が伸び悩む。担当者は「昨年も厳しかったがそれを上回る。五輪前にテレビの売り上げが伸びてくることに期待したい」と話した。