U-SEIのトリセツ/女性から男性になったインストラクターの前向きな人生の歩み方とは?

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元女性のインストラクター・U-SEIさん。幼い頃から男の子だった彼は、自分のセクシュアリティとどう向き合ってきたのだろうか。思春期、性の目覚め、カミングアウト…。現在に至るまでに歩んできた様々なストーリーを順を追ってご紹介。彼を知るための説明書をぜひご覧ください。

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__STEP★UP QUESTION…01
小さい頃はどんな子どもでしたか?
——男の子が好むような遊びや色ばかりでした。__

幼稚園の頃は男の子友達としか遊んでいなかったですね。その頃はそれが変だとは思っていませんでした。また、持ち物や靴などがいつも母親が準備してくれるものと僕がほしかったものと異なっていたんです。女の子らしい可愛い色のものよりかは黒が好きで、黒い靴や戦隊ヒーローもブラック役が好きでしたね。友達と戦隊ヒーローごっこする時は弱い男の子はピンク役にしたりすることもあったくらい(笑)。でも親は絶対ダメということはなくて、色々ほしい物は買ってくれました。ただ、ランドセルだけは赤にしなさいって。

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__STEP★UP QUESTION…02
学生時代はどのように過ごしていましたか?
——思春期に「部活」という没頭できるものがあった__

今みたいにインターネットとかが普及していなくて情報がなかったので、とりあえず周りに合わせた学生生活を送っていたと思います。でも、無理にセクシュアリティを閉じ込めていたわけではなく、ずっと部活漬けの地獄のような毎日を過ごしていたから、それだけで手一杯だったんです。誰かと付き合うとか恋をするとか、じっくり自分の性と向き合うとか、良い意味でそういうことを考える暇がありませんでした。ただ、男女共学の高校や大学は選びました。ずっと履歴に残るものなので、「女子校」は無理だったんです。

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__STEP★UP QUESTION…03
セクシュアリティの目覚めはいつ頃でしたか?
——大学で初めて同じ仲間がいることを知った!__

少し遅いのかもしれないんですが、大学に進学してからでした。入学後まもなく、「白なのか黒なのか」って聞かれたことがあったんです。ノンケかオナベかってこと(笑)。それで初めてそういう人たちの存在を知ったんです。本当にその言葉すら知らなかったくらいなので、ビックリしました。「お前はどうみても黒でしょ!」とかって言われても「肌は黒いけど…」って感じだったんですよ(笑)。でもそこからハッキリと、自分がそうだってことに気づかされて、みるみる世界が変わっていった時期だったんです。

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__STEP★UP QUESTION…04
見た目が男性になったことで仕事先での反応は?
——仕事があっての自分だから、性転換を決めた!__

インストラクターという仕事と向き合った時に、男性ホルモンを打ち乳房切除術をすることを決めました。職場では比較的スムーズな対応をしてくれたので感謝しています。それでも同僚から嫌悪感を出されることもありましたが、仕方ないと思っています。利用してくださるお客さんは意外と素直に受け入れてくれて、性別ではなく仕事ぶりを評価してくれているのだと実感できました。実は息子が娘だったというお客さんの話を聞くようになったり、学校の先生が自分の受け持った生徒への対応をどうすればいいかなどの相談なんかにも乗っています。

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__STEP★UP QUESTION…05
身近な人へのカミングアウトはどうでしたか?
——先輩たちから言われたメッセージに心救われた__

男性ホルモン注射を打つ際、大先輩であるふたりの同業者に打ち明けました。ひとりは「あんたが好きにしたらええやん。あんたの人生なんやし。付き合いは変わらないんだから、なんかあったら連絡してきい」と言ってくれて。もうひとりは「その報告、何年待たせたの?」って(笑)。「他のやつらになんか言われたら私が守ってやるからな!」って言ってくれて、いい先輩を持ったと実感できました。このふたりがいたからこそ自分はすんなりと自分のセクシュアリティを受け入れることができたような気がします。

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__STEP★UP QUESTION…06
家族へのカミングアウトについて教えてください
——家族の想いと優しさ、愛を知るきっかけに__。

ホルモン注射投与後、乳房切除術をする時は両親に報告しました。母親は分かってはくれていたのですが受け入れきれなくて、大喧嘩しました。でも普段サバサバしている母親が、夜中ひとり泣きながら壁に物を投げている姿を見た時は、胸が痛みました。それだけは絶対忘れられないですね。その後、両親が弟の家に報告しに行った際、弟が「何を今さら。どう見てもお姉ちゃんじゃないよな」って一喝(笑)。そして「一番身近な家族が支えてあげなければ、誰がお姉ちゃんを支えてあげるの」って言ってくれたんです。凄く嬉しかったですね。

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__STEP★UP QUESTION…WRAP UP
U-SEIの説明書まとめ★★★
——「自分がどう生きたいか」で世界は変わる。__

僕はLGBTという括りとかではなくFTMのことしか分からないんですけど、自分がやりたいことは自分自身で決めて生きていってほしいなと思っています。誰かに言われたとか、あの人がやっていたとか、何かの制作物にそう書いてあったからではなくて、「自分がどう生きたいか」は、「自分で決めないと」、だと思っています。そして、初めてカミングアウトをしようとする人は、最初に誰に聞いてもらったかでその後の人生が大きく変わってきます。突発的ではなく慎重に考えてみてから、誰に打ち明けるかを決めていってほしいと思います。

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U-SEI/中谷友星
1982年、大阪府生まれ。幼い頃からスポーツが大好きで強いチームに身を置き、心身を共に鍛えてきた。現在は運動指導者として、エアロビクスのインストラクターや様々なイベントにゴーゴーモデルとして活動中。
Twitter@yusei_usei

取材・記事作成/村上ひろし(newTOKYO)
写真/新井雄大 Twitter@you591105
イラスト/みさおはるき Twitter@harukisskiss

※この記事は「自分らしく生きる」プロジェクトの一環で作成しています。
※全ての漫画は、U-SEIさんの歩んできたストーリーを楽しく観ていただくために、実際とは異なるユーモア表現を含んでおります。