「忙しい人=仕事ができる人」はウソな理由

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外資で地べたをはうキャリアを築いてきました。おかげさまで、まわりは自分よりできる人ばかり。そして、誰もが死ぬほど忙しく働いていました。

ですから、私はてっきり「仕事ができる人ってのは、忙しいもんだ」と思い込んでいたのです。

が、その後さまざまな法人を支援したり、人生相談を受ける中で「仕事ができない人も、また忙しくしている」と気づかされます。しかし両者の内実は、まったく異なるものでした。

では、いったい何が違うのか。「仕事ができて忙しい人」と「ただ忙しいだけの人」を比べつつ、「本当に仕事ができる人」とはどんな人かに迫ってみたいと思います。

■仕事ができない「忙しい人」の特徴

まずは「仕事ができないのに忙しい人」の振る舞い……つまり、私のやり方を並べてみます。

仕事ができないのに忙しい人は、こういう特徴を持っています。

◇仕事の納期をぎりぎりまで伸ばす

スケジュール上、20日が期限なら20日まで手を触れず「なにこれ!」と驚きます。最初から全体図を見ていれば、困ることもなかったのに。

◇残業すればなんとかなると思っている

自分には能力がないが、残業すればなんとかなると思っているのが特徴。火事場の馬鹿力に信頼を置きすぎています。

下手に成功体験があるからこそ「次もギリギリでいいや」と未来の自分に甘えてしまうのです。体調不良などちょっとでも予想外の事態が起きると、スケジュールが崩壊します。

◇仕事を断れない

抱え込みすぎてパンクして、誰かに助けてもらうまでが仕事だと思っています。しかし、パンクしているときは大体他の人も忙しいので、修羅場が発生するのです。

◇異動・転職しない

苦手な業務の職種についても異動・転職しません。そのまま叱られて自尊心を下げながらも働き続けます。せっかく誘ってもらえたんだし、クビになってないし……と、干される道を選ぶのです。

◇恋愛や友達関係を「できたら頑張る」項目に入れている

デートなど、恋愛や友達関係を「できたら頑張る」項目に入れています。結局、仕事にのまれてプライベートの用事は無くなる。

自分のことすぎて、書きながらも胸が痛い。結局、「仕事ができない忙しい人」というのは、仕事に振り回される道を自ら選んで、楽しくもない仕事を延々やってしまうタイプが「仕事ができない人」になってしまうのです。

仕事ができない状態から脱して、仕事ができる人になれるチャンスは、いくらでもあるというのに……。

■仕事ができる人も「忙しい人」になるわけ

対して、「仕事ができても忙しい人」は存在します。その理由は、優秀な人には多くの仕事が割り振られてしまうからです。

自分で取捨選択して強みを発揮できる業務に携わろうが、いかに最初からプロジェクトを俯瞰して挑もうが、圧倒的業務量の前には無力です。

ビル・ゲイツはどう考えても1日12時間寝ていません。そういうことです。

「じゃあ、忙しいフリしてたほうが仕事しなくていいじゃん」

と、思うかもしれません。

しかし、本当に仕事ができる人は、忙しくてもプライベートの時間を死守できているため恋愛関係や友情が崩壊せず済みます。

また、周りからも褒められる環境に身を置け、昇進も望めます。

つまり、いかに忙しくとも仕事ができる人になれれば、働いていて楽しいのです。

■「仕事ができないのに忙しい人」を抜け出す方法

というわけで、「仕事ができないのに忙しい人」を脱し、「仕事ができる人」を目指しませんか。

仕事ができる人になりたければ、(1)スケジュールの逆算と、(2)断る力を身に着けることが肝心です。

◇(1)「逆算スケジュール」を身に着けよう

まず、スケジュールの逆算は簡単で、「これお願い」と言われたら、全体を見ることです。

たとえば小学校時代、夏休みの宿題へ取り掛かる前に「なるほど、宿題は全部でこんな感じか。ってことは、算数が20時間、国語は得意だから5時間、観察日記は色塗りもあるし10時間かな……」なんて考えてから動けていたら、後から泣くこともないはず。

そして、時間を割り振ってお尻(最終日)から逆算すれば、自分が今の時点で間に合うか、間に合わないかがわかります。

間に合わなさそうなら今すぐ上司や周りに頼りましょう。土壇場でパニックになって頼むのではなく、最初に頼れば「仕事ができる人」でいられます。

◇(2)「断る力」を磨こう

次に「断る力」を身に着けましょう。たとえば、職場の人との飲み会。週に1回行くのではなく、月1回なら楽じゃないですか。年1回なら、もっと楽でしょう。

ギリギリまで飲みを減らしてその分プライベートに割いた方が有意義ではありませんか。どうせ酔っぱらっている間の記憶なんて、相手もちゃんと覚えてないでしょうし。

いきなり押し付けられる仕事も「ちょっと今忙しくて……」ではなく、「申し訳ありません、いまだと最短で〇日にしか準備できなくて……」と相談すれば、相手も「あ、じゃあ他の人にするね」と考えられます。

先ほど書いたスケジュールの逆算ができていれば、断り方も具体性が生まれるのです。

仕事を断っても、嫌われることはありません。むしろ引き受けたのに完遂できない方が嫌われます。

ですから勇気を出して「どうしてもお引き受けする自信がなくて」と言ってしまいましょう。仕事ができないと伝えることが、むしろ“仕事ができる人”感を出せます。

デキる人ほど、自分の限界を知っているからです。

仕事ができる人は忙しくても楽しい

仕事ができなくて忙しい人はストレスでいっぱいです。一方の仕事ができて、できるがゆえに忙しい人は、毎日が充実しています。

同じ「忙しい人」なら、ぜひ後者になりましょう。

まずは自分の限界を知り、できる仕事のみを引き受け真摯に取り組みましょう。“できる人感”を出して上手に断ることが肝心ですよ。

(トイアンナ)

※画像はイメージです