独自配合スパイスカレー、香り高くコク豊か 「万願寺甘とう」が彩り

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10種類のスパイスを調合したカレー(手前)などの料理。お酒や軽食も用意している。

 JR西舞鶴駅近くにある「たねふね」(京都府舞鶴市)の店内に入ると、店主が趣味で集めた漫画や雑誌など約2千冊が並んだ本棚が目を引く。カレーのスパイシーな香りが漂い、食欲をそそる。

 井上恭輔さん(44)が昨年7月、空き店舗を改装してオープンした。メニューの目玉は、カレーとタコライス。カレーは、トマトとタマネギをベースに独自に配合した10種類のスパイスを使う。野菜の甘みや独特の香りとコクが特徴だ。夏から秋には、舞鶴名産の万願寺甘とうを飾り付けて地元色を演出。タコライスも、キーマカレー風に仕上げた。
 井上さんは兵庫県出身。舞鶴市内のスーパーに販売員として赴任したのをきっかけに同市で暮らし始めた。約10年後に新しい仕事を探し始めたが、地元住民に温かく接してもらった経験から「不思議と舞鶴から出て行く気持ちが起きなかった」と振り返る。
 知人の誘いで、市民らが朝顔の種をモチーフに段ボールなどで船を造るアートプロジェクト「種は船」に関わった。さまざまな生き方をする若者との出会いや、住民との交流から、以前から思い描いた自分の店を持つ目標を現実にしようと思い立った。店名は同プロジェクトから付けた。
 2010年にカレーの移動販売を開始。飲食店でアルバイトする傍ら、舞鶴赤れんがパークや北近畿圏のイベントに積極的に出店し、味付けなど試行錯誤を重ねた。
 井上さんは「食事を楽しみながら、本も手に取ってのんびりくつろいでもらえたら」と話す。

■たねふね 京都府舞鶴市引土221―2。午前11時~午後3時、午後6時~同10時。イベント出店などのため、土、日(祝)は定休。水曜はランチのみ。090(1141)3447。

来店者と談笑する井上さん(左)。壁沿いの棚には多彩なジャンルの漫画や雑誌がずらりと並ぶ=京都府舞鶴市引土