1月23日に開幕した2020年のWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロ。競技初日のSS1〜2を終えて、TOYOTA GAZOO Racing WRTはセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)がトップと19.1秒差の総合2番手につけた。チームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)は総合4番手、カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合7番手で走行を終えている。
WRC開幕戦のラリー・モンテカルロはフランスとモナコを舞台に争われる1戦。22日のシェイクダウンを終え、競技初日の23日は現地17時にモナコ湾に面したモナコ公国のアルベール1世埠頭でセレモニアルスタートが行われて大会が幕を開けた。
セレモニアルスタートを終えたドライバーたちはフランスへ入国し、山間部を舞台としたSS1〜2へ。この2SSはどちらも日没後に行われるナイトステージとなっている。
オープニングのSS1は全長17.4kmのステージで路面はフルドライ。ここでは2020年にトヨタへ加わったオジエが最速タイムを刻んで、まずは総合首位に立った。チームメイトのエバンスはステージ3位、ロバンペラもステージ5位でSS1を終えた。
続くSS2は全長25.49kmのステージ。こちらはSS1とは異なり大会前に降った雪が残り、路面が凍結している箇所もあるなど、ラリー・モンテカルロらしいコンディションで争われた。
トヨタ勢ではオジエがステージ2位に入ってみせたが、ステージ最速だったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)とは25.5秒差をつけられてしまう。総合順位でもヌービルにトップを奪われたものの、19.1秒差の総合2番手で初日を終えた。
チームメイトのエバンスは総合首位と25.4秒差の総合4番手、ロバンペラは1分18秒5差の総合7番手につけ、ワークスチームの3台全車がトップ10に入る順調な立ち上がりをみせた。
4台目のヤリスWRCで参戦している勝田貴元もSS1〜2を走りきり、総合12番手で初日を終えている。
「我々にとって今晩はいいスタートになった。最初のステージでのセバスチャンとエルフィンの走りは素晴らしく、彼らはクルマにいいフィーリングを感じ、自信を持ったと思う」とチーム代表のトミ・マキネン。
「カッレもまたいい走りだったが、軟らかめのタイヤを履いていたから、タイヤを少しオーバーヒートさせてしまった」
「2本目のステージ(SS2)は非常に難しいコンディションだったが、3選手とも問題なく走り切ったよ。まだまだ先は長く、彼らはいい位置につけていると思う」
総合2番手につけたオジエは「決して悪くないスタートだと思う」と走行をふり返っている。
「最初のステージはいい出だしだった。路面は完全にドライでグリップは安定しており、きっとこの週末もっとも簡単なステージのひとつだっただろね」
「続く2本目のステージに関しては、今晩の最難関になるだろうとあらかじめ予想していた。とてもトリッキーなコンディションだったから、リズムを合わせようと走りが慎重になり過ぎ、タイムを少し失った」
「ミスをすることなく1日を走り切ることができたし、まだ先は長いから、決して悪くないスタートだと思う」
エバンスは「タイヤ選びに悩んだ、とても難しいナイトステージだった。自分のタイヤ選択が本当に正しかったのかどうかは分からない」とコメント。ロバンペラは「トリッキーなコンディションはテストの時に経験していなかったから、多くを学びながら、注意深く走った」とSS2をふり返った。
2020年のWRC第1戦モンテカルロ、競技2日目の24日はフランスのギャップに設けられたサービスパークを中心にSS3〜8の6SSが行われる。
このうちSS4/7は2020年からラリー・モンテカルロに組み込まれた新ステージで、道幅の広い高速セクションと道幅が狭く曲がりくねった中低速セクションが混在する構成となっている。
全6SS合計の走行距離は122.58km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は429.90kmだ。