地域の壁を越え、兵庫医科大学ささやま医療センターが済生会兵庫県病院と連携協定

安心、安全な周産期医療の提供に向け、2020年2月1日、社会福祉法人恩賜財団 済生会兵庫県病院(神戸市北区)と兵庫医科大学 ささやま医療センター(丹波篠山市)が連携協定を締結する。2020年1月22日、済生会兵庫県病院で調印式が行われた。

ささやま医療センターは、長年にわたり丹波篠山地域の周産期医療を担ってきた。しかし産科医不足が続き、2020年3月末、分娩を休止する。そこで、2月より神戸市北区の済生会兵庫県病院と連携し、切れ目なく地域住民に周産期医療を提供する体制を整える。

済生会兵庫県病院は、兵庫県から「地域周産期母子医療センター」(周産期に係る比較的高度な医療行為を常時担う医療機関)に指定され、NICU(新生児特定集中治療室)を有するなど充実した周産期医療体制を持つ。

2020年4月以降は、ささやま医療センターで妊婦検診を受けている妊婦は、希望すれば済生会兵庫県病院にて分娩および分娩前後の医療を受け、産後ケアはささやま医療センターで受けることができる。また、ささやま医療センターの産科医や助産師による出張診療を済生会兵庫県病院で受け入れる「オープンシステム」なども実施する。

地域の周産期医療の維持は全国各地で課題となっている。今回の連携協定は、人材を含む限られた医療資源を有効活用し、より広範な圏域での「分娩機能の集約」「周産期医療機能の役割分担」「緊密で円滑な医療連携」を図り地域医療を維持するモデルケースとなりそうだ。

参考:

【兵庫医科大学】済生会兵庫県病院×ささやま医療センター 安心・安全な周産期医療の提供に向けて地域の壁を越えた「連携協定」を締結

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