世界卓球(団体)代表に“カット型”佐藤瞳が初選出 気になる「選考基準」とは

写真:日本卓球協会の星野専務理事(左)と宮崎強化本部長/撮影:ラリーズ編集部

日本卓球協会は24日、都内で会見を開き、2020年世界卓球選手権釜山大会の男女代表メンバーを発表した。

卓球の世界選手権は、西暦偶数年に団体戦(男女の国別対抗戦)、奇数年に個人戦(男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルス)が行われる。2020年3月に開催される釜山大会(団体戦)については、東京五輪におけるシード権の根拠となるワールドランキングを上げるため、“五輪前哨戦”とも言うべき熱戦が予想される。

世界卓球選手権(団体戦)の代表はどうやって決まる?

写真:左から佐藤瞳石川佳純平野美宇伊藤美誠/撮影:森田直樹/アフロスポーツ

今回の代表選出にあたり、日本卓球協会は、大会約1年前の2019年3月に男女5名ずつの日本代表選手選考基準を以下のように発表していた。

【男女代表選手各5名の選考方法(概要)】
1.東京オリンピックのシングルス代表候補選手[2名]
2.東京オリンピックの団体代表候補選手[1名]
3.全日本卓球選手権大会シングルス優勝者[1名]
4.国内選考会の優勝者[1名]
5.1~4の基準にて同一選手が重複して選ばれた場合、5人に欠けるため国際競争力等を鑑みて、強化本部にて選手を選出

男子5名の選考理由は?

写真:宇田幸矢/撮影:ラリーズ編集部

今回は、24日の発表前の時点で、男子は事前の選考基準を満たした下記5人の選手が確定していた。

【2020年世界卓球選手権釜山大会 男子代表】
張本智和(1.東京五輪シングルス代表)
丹羽孝希(1.東京五輪シングルス代表)
水谷隼(2.東京五輪団体代表)
宇田幸矢(3.全日本シングルス優勝)
森薗政崇(4.国内選考会優勝)
※カッコ内は選考理由

女子5名の選考理由は?

写真:佐藤瞳(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部

一方の女子は24日の発表前の時点で4選手が確定していたが、平野美宇が選考基準2番の東京五輪団体代表候補と4番の国内選考会優勝を重複して満たしていたため、一人新たに代表メンバーが協会推薦により選出されることとなっていた。そして注目の5人目に佐藤瞳(ミキハウス)が選出され、代表メンバー全てが出揃った。

【2020年世界卓球選手権釜山大会 女子代表】
伊藤美誠(1.東京五輪シングルス代表)
石川佳純(1.東京五輪シングルス代表)
平野美宇(2.東京五輪団体代表、4.国内選考会優勝)
早田ひな(3.全日本シングルス優勝)
佐藤瞳(5.強化本部推薦)
※カッコ内は選考理由

女子5人目に世界ランキング17位のカットマン、佐藤瞳を選出した理由について、日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長は「現時点でのワールドランキングが4番目であること、中国選手にある程度勝利していること」を挙げた。

東京五輪への影響は?

写真:宮崎強化本部長(日本卓球協会)/撮影:ラリーズ編集部

また、補足として「今回は東京五輪に向けてのチームランキングを上げるため、男女共に東京五輪代表メンバーが団体戦メンバーとして出場することになって来ると思う。それ以外のメンバーは実際の出場機会が少ない見込みだが、そのことも本人・母体が納得して頂いた上で、今回代表に選出した」と語った。

また注目のオリンピックのリザーブ選手に今回の選出が関わってくるかどうかという点については、「現時点では考えていない」とコメント。オリンピック代表選手のエントリーが5月となっており、故障等の万が一の可能性も踏まえて、エントリーぎりぎりまでリザーブ選手については考えたいとの方針だ。

「オリンピックの年に団体戦で金メダルを獲っておいて、オリンピックに入る、ということが大事だと思っています。もちろん中国は強いですが、それくらいの意気込みで挑みたいと思っています」。夏の東京五輪までの道筋を描きながら、宮崎本部長は強い決意を語った。

文:ラリーズ編集部

© 株式会社ラリーズ