交番に遺失物として届けられた財布から現金を抜き取るなどしたとして、神奈川県警は24日、業務上横領と公用文書等毀棄(きき)の疑いで、川崎署地域課の男性巡査(24)を書類送検し、懲戒免職にした。
県警監察官室によると、男性巡査は2017年5月~19年6月にかけて、11回にわたって当時勤務していた同署管内の交番に届けられた財布に入っていた現金計10万9千円と鍵束などを横領したほか、窃盗事件の被害届1通を自宅に持ち帰ったという。
巡査は「ギャンブルで借金が約300万円あった。遊興費も欲しかった。(抜き取りなどを)20回ぐらいやった」と話しているという。鍵束については「落とし主が分かれば鍵を使って家に侵入し、金を盗めると思った」と話し、巡査は実際に届け出があるか調べたが、なかったという。
昨年6月、飲食店で財布を落とした男性が、店員から「交番に届けた」と聞いて署に確認したことで、巡査が横領した疑いが浮上。遺失物が届けられた際、書類を作成せずに署に報告しないか、抜き取った後の金額を書類に記載するなどの手口で横領を繰り返していたとみられる。
寺澤陽公監察官室長は「警察業務への信頼を損なう行為であり、厳正に処分した」とコメントした。