鉄道創業期のSL展示 JR桜木町ビル、6月下旬開業 

110形蒸気機関車(SL)の実物が展示される「JR桜木町ビル」1階のイメージ図

 JR東日本(東京都)は6月下旬、桜木町駅の隣接地に商業施設やホテルが入る「JR桜木町ビル」を開業させる。1階部分には、同駅が鉄道発祥の地だった歴史にちなみ、創業期に走行していた蒸気機関車(SL)の実物を展示する。

 日本で初めて鉄道が開通したのは1872(明治5)年。新橋駅とともに発着点だった横浜駅は、現在の桜木町駅がある場所に位置していた。

 展示されるのは110形SLで、開通の前年に英国から輸入され、実際に新橋─横浜間を走った。大正期に引退した後は貴重な遺産として「鉄道記念物」に指定され、1962年から半世紀以上にわたり東京の青梅鉄道公園に置かれていた。

 同社は今回の展示に当たりSLを改修し、創業当時の客車や信号機を再現した。横浜支社の広川隆支社長は「桜木町駅を鉄道発祥の地としてPRしたい」としている。

 JR桜木町ビルは地上12階建て。1、2階に商業施設と保育園、3~12階にはホテルが入る。ビル付近にはICカード専用の駅改札口が新設される。

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