レンガの麹室、香りに深み 小矢部でしょうゆ極寒仕込み

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 しょうゆの極寒仕込みが小矢部市浅地の畑醸造で24日までに始まった。全国でも現役で稼働する数少ないレンガ造りの麹室(こうじむろ)を活用し、1929(昭和4)年の創業当時の製法を守る。今年は暖冬に加え、濃い口しょうゆの需要の高い関東方面への出荷に対応するため、昨年より1日早く作業を開始。従業員は温度管理を徹底し、うま味を凝縮した逸品に仕上げる。

 水や空気が清浄な冬場に行う極寒仕込みは、醸造に不可欠な麹菌が活発に生育する効果がある。レンガ造りの麹室には香りや味に深みを出すとされ、しょうゆは3年間熟成させた上で出荷する。今年は13日から作業を開始した。

 24日は、従業員が前日に炒(い)って砕いた小麦と蒸した大豆を合わせ、種麹菌を加えてスコップで混ぜ合わせた。引き続き、麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる木製容器に入れ、レンガ造りの麹室へと運び込んだ。室内は温度30~32度、湿度60~70%を維持し、3昼夜ねかせて発酵。塩水の入ったもろみ蔵のタンクに入れて天然熟成させる。

 材料の大豆は小矢部産、小麦は高岡産、塩は沖縄産のシママース塩を使用する。いずれも昨年より200キロ多く用意し、約1万6千リットル分のしょうゆを生産する。「極寒仕込み 北陸」の商品名で首都圏の高級スーパーや県内の料理店などに出荷する計画で、仕込みは3月初旬まで続く。

 4代目の畑彰専務(45)は「原料から手作りで、手間ひま掛けて仕上げている。自然のうま味を生かしたしょうゆを味わってほしい」と話した。