漁業調査船「くろしお」 佐世保・前畑造船で進水式 3月 鹿児島に引き渡し 女性乗組員を想定

進水する鹿児島県の漁業調査船「くろしお」=佐世保市、前畑造船

 佐世保市干尽町の前畑造船で24日、鹿児島県の漁業調査船の命名・進水式があった。「くろしお」と命名され、関係者が航行の安全を祈願した。引き渡しは3月末を予定している。
 全長40メートル、幅8メートル。総トン数は259トンあり、都道府県所有の漁業調査船としては大型という。
 鹿児島県によると、搭載機器類などを含めた事業費は約14億5千万円。沿岸や沖合での海洋観測のほか、ブリやマグロといった海洋資源の分布調査を担う。将来的に女性が乗組員となることを想定し、船内には女性専用のトイレ、シャワー室も整備する。
 式には関係者約20人が出席し、神事で安全を祈願した。支綱が切断されると、船はゆっくりと海に進みだし、出席者は拍手をして見届けた。
 北村與志郎代表取締役社長は引き渡しまで2カ月余りしかないことに触れ「急ピッチで作業を進める」と強調。新年度はケミカルタンカーを3隻相次いで受注していることから「いかにコストを抑え、効率的にできるかを突き詰める。勝負の年になる」と語った。

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