「見るだけじゃ楽しくない」―楽天則本昂が明かすCS、日本S、侍Jへの思い

自主トレを公開した楽天・則本昂大【写真:編集部】

昨季は開幕直前に右肘手術、今オフは「同じことにはならないように心がけながら…」

 楽天の則本昂大投手が25日、本拠地の楽天生命パークで自主トレを公開。完全復活を目指す今季の目標に「20勝」を掲げた。

 今年もヤンキースの田中将大投手らと自主トレを行った則本。オフは先輩右腕と一緒にトレーニングをこなし、オーストラリアでの体作りを終えて仙台へ。この日は、ウォーミングアップやキャッチボールを行った後、田中のブルペン投球を食い入るように見つめ「見るだけで勉強になります」と話した。

 昨季は開幕前に右肘のクリーニング手術を受け、復帰したのは7月に入ってから。前半戦はチームの力になれなかった。2014~18年は5年連続最多奪三振のタイトルを獲得し、その間は投球回数1位も4度あった鉄腕は「去年は怪我をしたので、とりあえず怪我しないように気をつけながら、状態が上がるようにやっています」と慎重に調整を続けている。

 田中はすでに5度ブルペンに入り、球種も全て投げているが、則本はまだブルペン入りが2度。しかも「基本的には真っ直ぐだけ」。3月に離脱した昨季の経験を踏まえ「同じことにはならないように心がけながら、上げるところは上げないといけないので、そこの折り合いを見つけながらやれたらなと思います」と語る。

 ただ、目標は明確だ。「20勝できたらと毎年思っているので、今年こそはという気持ちでやりたいです」。NPBでの大台到達となれば、2013年に24勝無敗と無敵を誇り、楽天を初の日本一に導いた田中以来の快挙となる。さらに、今季から1イニングについて1勝を寄付する活動を始めるため「200イニングに行きたい。ポストシーズンに行けばそこも加算させてもらうので、できるだけ長いイニング投げてたくさんの寄付をしたい」とも。エースが20勝&200イニングを達成すれば、楽天も間違いなくリーグ制覇に近づくはずだ。

 今年は東京五輪も控える。ただ、万全の状態であれば侍ジャパンの常連でもある則本は「まだ(目標として)明確ではない」と言う。「選ばれたいんですけど、去年は試合に出られなかったので、今年は開幕から勝ちを積み重ねてアピールできればと思います」。世界一に輝いた昨年のプレミア12も「ざっくりしか見ていない」と振り返り、「見るだけじゃ楽しくないので。侍ジャパンだけじゃなくてもCSも日本シリーズも見るだけじゃ楽しくない。1番最後まで野球をしたいと毎年思うので」と本音を明かした。

 毎年恒例となっている田中との自主トレから「たくさん学ぶものがありました」という則本。完全復活へ向けて、静かに闘志を燃やしている。(Full-Count編集部)

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