知らないと損をする英会話術(6):イギリス流「How are you?」の基本的な使い方

イギリスでは、知っている人からも知らない人からも1日に10回以上「How are you?(元気ですか?)」と聞かれます。そこで今回は、イギリス人が頻繁に使う表現「How are you?」の本当の意味と、場面ごとでの上手な返事の仕方を解説します。

イギリスで頻繁に使われる「How are you? (元気ですか?)」と「(Are) you alright?(大丈夫?)」

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イギリスを訪れると、友達からだけでなくショップやレストランの店員さんから、頻繁に「How are you?」もしくは「(Are) you alright?(大丈夫?)」と聞かれることがあると思います。1日10回以上聞かれることもあり、「あれ?私って大丈夫ではなさそうなのかな?心配させてる?」と困惑する人もいるかもしれませんね。

今回は、どんな時に使われる表現なのか、現地在住のライターの実体験から解説していきます。

教科書にのっていた「How are you?」「Fine, thank you and you?」のやりとり。実際には実用性はほぼない!?

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「How are you?(元気ですか?)」と聞かれたら、「Fine, thank you and you?(元気です。ありがとう、あなたは?)」と返事をすると、英会話の一番最初に習った人も多いかと思います。

実は、イギリスではこのやりとりはほぼ成立しません!

例えば、すれ違いざまに「How are you?」と聞かれたので、返事をしようとしても相手が立ち止まってくれないことがよくあるからです。そのため「Fine, thank you and you?」を言い切る前に相手がもういない、なんてこともよくあります。

「How are you?」は「どうも」「こんにちは」程度の単なる挨拶だった

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イギリスでは「How are you?(元気ですか?)」もしくは「(Are) you alright?(大丈夫?)」は、「こんにちは」「どうも」程度の挨拶としてよく使われ、実は答えは特に求められていないことがほとんどなのです!

もちろん挨拶なので、無視は失礼。挨拶としての「How are you?」への返事としてよく使うフレーズをご紹介します。

Not bad, thanks. (悪くないです。ありがとう。)

Good, you? (調子いいです。あなたは?)

相手が立ち止まってくれなくても言い切れる短さの単語で対応する人が多く、ショップやレストランの店員さんなどの場合もとりあえず考えることなくどちらかを言っておくと失礼がないのでお勧めです。

イギリスあるある、どこでも「How are you?」攻撃

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20年近くイギリスに住む筆者が目撃した、イギリスでの「How are you?」の使い道を2つご紹介します。

【病院編】具合が悪くても「How are you?」から会話をスタート

「How are you?」が挨拶なのは病院でも同じ。間違いなくどこか不調だからこそ来ているはずなのに、とりあえずお医者さん、看護師さんは「How are you?」から会話をスタートすることが多いです。患者側も「Not bad thanks.」と返事をとりあえずすると「How can I help you today?(今日はどうしましたか?)」と本題を聞いてもらえます。

【出前編】電話注文でも「(Are) you alright?」から会話をスタート

筆者のイギリス人夫は出前でピザなどを頼む際などに電話で「Hello,(Are) you alright?」とまず言います。そのあとで「出前お願いできますか?」と注文を続けます。

出前の注文をする客側が電話の開口一番に「(Are) you alright?」って!?と最初はまったく理解できませんでしたが、相手の体調を聞いているのではなく、単なる挨拶と理解すると納得できます。

イギリスは挨拶の国。「How are you?」は大切な挨拶の一つだった!

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イギリスは挨拶をとても大切にする国です。頻繁に聞かれる「How are you?」「 (Are) you alight?」も、挨拶のひとつと認識しておくとよいでしょう。「どうも」「こんにちは」程度の意味で返事の内容は全く求められていないので適当でよい、と覚えておいても便利です。

もちろん仲の良い友達には、実際に悩んでいる、体調不良というようなときには「I am OK, but...」と続けて会話をするのもありです。また「How are you?」を聞かれるばかりではなく、挨拶代わりに「How are you?」といろいろな人に聞いてみて、相手の返事の仕方を観察するのもおもしろいと思いますよ。ぜひ試してみてくださいね。

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