[大弦小弦]コアラ受難、地球環境に注視を

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 かつて沖縄こどもの国で飼育され、愛くるしい姿で県民の心をつかんだコアラ。そのコアラが受難だ。オーストラリアで昨年9月から続く大規模な森林火災で、数万匹が死んだという。毛が焼け焦げたコアラがかかえられ、救助される映像は痛々しい

▼他の生き物にも甚大な被害を与えている。10億匹超の野生動物が命を落としたとの推計がある

▼約30人が死亡し、住宅2千棟以上が損壊。韓国の面積に匹敵する約1千万ヘクタールが焼失した。被害規模に言葉を失う

▼オーストラリアは昨年、国全体の平均気温が観測史上最も高く、平均降水量は過去最少だった。インド洋の海面温度が上昇する現象などが影響したとの見方がある。インド洋付近や日付変更線の西側では雲が活発化し偏西風の流れを変え、日本の暖冬にもつながっているという。改めて気候には国境がないことを実感する

▼米科学誌が地球最後の日までの時間を象徴的に示す「終末時計」。その最新時刻は残り「100秒」で過去最短になった。核を巡る緊張の高まりに加えて深刻化する地球温暖化の脅威が主な理由。効果的対策が取られず、人類にかつてない危機をもたらしているとする

▼気候や環境の保全に対し、より厳しい目を向ける必要がある。多様な生き物と共存できる地球を守る。それこそが人類が生き延びる道でもある。(内間健)