国が「不治の恐ろしい感染症」と国民煽り…差別や偏見を助長 ハンセン病から学ぶこと

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ハンセン病と人権について説明する国立ハンセン病資料館参与の儀同政一さん=25日、那覇市・県立図書館

 昨年6月のハンセン病家族訴訟の熊本地裁判決や、その後の補償法成立などを受け、ハンセン病問題をあらためて学ぶ学習会が25日、那覇市の県立図書館で開かれた。国立ハンセン病資料館の儀同政一参与が講演し、「差別意識は無自覚。人権侵害の歴史を後世に伝え、同じ過ちを繰り返さないことが私たち市民の役割だ」と述べた。

 儀同さんは医学者の立場からハンセン病問題を解説した。国が「不治の恐ろしい感染症」として国民の恐怖心をあおり、誤った隔離政策などで差別や偏見を助長した歴史を振り返った。

 2001年に隔離政策を違憲とした元患者の国賠訴訟判決が確定し、問題の解決を目指す法律が制定されても、差別が続く現状を危惧。「私たち国民が知らない、知ろうとしない、人ごととして国の深刻な人権侵害を問わなかったからではないか」と問題提起した。

 「差別問題は私たち全員の問題。心の痛みを感じなくなり、憲法に反する『らい予防法』の存在を許してしまった。差別と無関係ではなく、自分の中にも差別意識があることを意識することが、被差別者にならない第一歩ではないか」と問い掛けた。

 講演を前にハンセン病家族訴訟弁護団の津嘉山陽弁護士の訴訟報告もあった。