気候変動や海洋ごみ対策考える 五島市高校生環境シンポ

五島の海で見つかったマイクロプラスチックについて報告する高校生=五島高

 長崎県立五島高(堤敏博校長)の生徒たちが26日、五島市池田町の同校で、気候変動や海洋ごみの現状や対策について意見を交わす「五島市高校生環境シンポジウム」を開催した。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(17)ら世界中の若者による運動が活発化する中、自らにできる取り組みを考えた。

 同校生徒でつくる実行委が主催し、昨年5月に続き2回目。今回は同校と県立五島海陽高の生徒、市民ら約40人が参加した。
 2015年に採択されたパリ協定は、今世紀中に温室効果ガスの排出をゼロにし、気温上昇を産業革命以前から1.5度に抑える努力目標を掲げる。地球温暖化に詳しい国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多副センター長は基調講演で「1度上がった現在でも豪雨災害などが相次ぎ、既に危険は始まっている」と警告した。
 江守氏は、目標達成には「制度や技術の導入ではなく、価値観の『大転換』を起こし、二酸化炭素(CO2)を排出してエネルギーを作るのはあり得ないという社会にしなければ」と提言。高校生に対し、選挙の候補者に気候変動対策への見解を尋ねたり、対策に積極的な企業を応援したりと、政治や経済に関心を持ち続けるよう呼び掛けた。
 市内の海岸で漂着ごみ清掃などに取り組んでいる五島高2年の小田寛人さん(17)は、環境や人体への悪影響が懸念されているマイクロプラスチックが市内でも見つかっていることを紹介した。「若者が自分たちでごみ拾いをして、環境問題への危機感を持ち続けることが必要。そこで感じた未来への危機感をばねに、問題に立ち向かおうとする姿勢が大切ではないか」と意見を述べた。

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