【MLB】サイン盗み告発した右腕を監督、同僚が擁護 「裏切り者」ではなく「ヒーロー」

サイン盗みを告発したアスレチックスのマイク・ファイアーズ【写真:Getty Images】

アスレチックス守護神「誰かがアクションを起こさなければいけなかった」

 MLBを揺るがしているアストロズの“サイン盗み”問題で、告発したアスレチックスのマイク・ファイアーズ投手が「クラブハウス内での出来事を外に持ちださないというルールを破った」として非難を浴びている。しかし、アスレチックスのボブ・メルビン監督と同僚たちはその勇気を讃えているようだ。米メディア「NBCスポーツ」が伝えている。

 メルビン監督は「マイク・ファイアーズが批判されているのを耳にすると、私はとてもイライラする」と記事内で言及した。「裏切り者」との意見には「今回のことはそんなレベルの問題じゃない」と反論。「これは野球の公平性に関わることだ。サイン盗みは八百長とさほど代わりはない。これは野球から除去されるべきことだ」としている。

 そして「時間が経てば、より多くの人々がこのような行動を取った彼をヒーローだと思うようになるだろう」と勇気ある行動を称賛。さらに、監督だけでなく、同僚のマット・チャップマン内野手、リアム・ヘンドリックス投手、マーカス・セミエン内野手の擁護のコメントも伝えている。

 チャップマンは「彼らの将来は(これまでとは)少し異なったものになるだろう。(同地区の)アスレチックスの未来はもっとエキサイティングになったけど」と不正の発覚と処分を歓迎。「裏切り者」との声には「彼をそう呼ぶことは間違っている。私はマイクに対してはリスペクトの気持ちしかない。彼は難しい状況に置かれていて、そんな中で正しいことをした。そして、野球は彼のおかげでより良いものとなるのだから」と称えている。

「結局のところは、我々は彼がやったことを援護するよ」としたのは守護神のヘンドリックス。「我々は野球をクリーンにしたいだけ。そうするために、誰かがアクションを起こさなければいけなかった。そうすることはとても勇気ある行動だと思う」と称賛した。セミエンも「彼はメディアにアプローチされたとき、そのことに対して話をしたたった1人の人間だ。本当に尊敬するよ。そのおかげで野球がクリーンになるのだからとても嬉しいよ」と擁護している。

 2017年にアストロズで同僚だったホワイトソックスのダラス・カイケル投手や殿堂入りの名投手ペドロ・マルティネス氏らから名指しで批判されたファイアーズだが、アスレチックスの同僚たちは右腕にリスペクトの気持ちを持っているようだ。(Full-Count編集部)

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