1997年に行われた、ブラジルvsフランスの国際親善試合。この試合で伝説の40mフリーキックを決めたのが、今回ご紹介する若きサイドバック「ロベルト・カルロス」でした。『悪魔の左足』と恐れられた通称・ロベカルは、一体どのような選手だったのかを本記事で振り返っていきます。
ロベルト・カルロスのプロフィール
ロベルト・カルロスの概要
名前:ロベルト・カルロス・ダ・シウバ・ローシャ
生年月日: 1973年4月10日
出身地:ブラジル サンパウロ州
身長:168cm 体重:70kg
ポジション:DF 利き足:左足
ロベルト・カルロスの経歴
・1991-1993 ブラジル/ウニオン・サンジョアン
・1993-1995 ブラジル/パルメイラス
・1995-1996 イタリア/インテル・ミラノ
・1996-2007 スペイン/レアル・マドリード
・2007-2009 トルコ/フェネルバフチェ
・2010-2011 ブラジル/コリンチャンス
・2011-2012 ロシア/アンジ・マハチカラ
・2015 インド/デリー・ディナモス
ロベルトカルロスは、ブラジル・サンパウロ州の非常に貧しい地域で生まれました。貧しさと学校までの距離が遠かったことが要因で、13歳になるまでサッカーボールを蹴ったこともなかったそうです。
しかしその後サッカーを始めるとわずか5年で頭角を表し、地元クラブでプレー。そのままブラジルの名門パルメイラスへと移籍し、活躍が認められ1995年にセリエAのインテルへと移籍します。
しかしあまりに攻撃的なロベルトカルロスは、監督から「右ウイング」での起用が求められ、好んでいた左サイドバックでのプレーが出来なくなってしまいます。
そこで僅か1年でレアルマドリードへの移籍を決め、レアルでは左サイドバックとして活躍を果たします。ジダンなどを擁する銀河系軍団レアルマドリードで何と10年間不動のレギュラーとして活躍し、数々のタイトル活躍に貢献しています。
またUEFAチャンピオンズリーグ決勝でジダンの伝説的なボレーをアシスト、国際親善試合で40mフリーキックをたたき込むなど、記憶に残るプレーが多いのもロベルトカルロスが今なお愛される理由です。
ロベルト・カルロスのプレースタイル
ロベルト・カルロスのプレースタイルで最も特徴的なのは、「圧倒的な攻撃参加」と「左足のキック力」です。
攻撃面が取り上げられがちなロベカルゆえにご存じない方も多いのですが、実はロベルトカルロスの本職はDFです。レアルでも左サイドバックとしてポジションを維持しています。
しかし、何度も前線に顔を出し、強烈なシュートやアシストを記録するロベカルは、もはやFWといっても良いくらいの攻撃力を保持しています。実際、当時は異例だったサイドバックながら370試合で47得点という記録も得ているほど…。
中でも「フリーキック」は強烈で、キーパーが見送るような弾丸シュートを何度も叩き込んでいます。
ただでさえ攻撃力の高いレアルやブラジル代表で、170cmという小柄な体型からは想像もつかないようなシュートを放つサイドバックはさぞ脅威だったろう…と思います。
「悪魔の左足」の由縁!ロベルト・カルロスの伝説的FKとは?
1997年に行われたブラジルvsフランスの国際親善試合で、「悪魔の左足」と呼ばれる由縁となった伝説的フリーキックが飛び出しました。
ゴール前40mほどの若干遠い距離で獲得したフリーキックを、ロベルトカルロスが長い助走からアウトサイドでシュート。これが一瞬大きく右に外れますが、そのまま左方向に鋭く曲がったことで、キーパー一歩も動けずゴールネットを揺らしています。
このゴールは重力を無視したような曲がり具合から物理学者も興味を持ったほどで、そのインパクトにより20年以上経った今でも見た人を興奮させています。
また、ロベルトカルロスは時速140kmという人間離れしたシュート速度を出すことから、「凶器の弾丸」とも呼ばれています。こういった素晴らしいシュート力を持っているからこそ、ロベルト・カルロスは伝説的プレーヤーになっているのです。
ロベルト・カルロスの現在
ロベルトカルロスの引退後キャリア
ロベルト・カルロスは2012年に現役を引退すると、その翌年からトルコリーグの監督に就任。
1年目はリーグ5位と好成績を収めるも、2年目に降格圏に陥るほどに低迷。そのまま更にもう1クラブトルコのチームを指揮したのち、2014年に辞任しています。
更にその翌年の2015年には選手権監督としてインド・スーパーリーグのチームに就任するも、1年で退任。2016年からは古巣レアルマドリードのコーチ、そしてレアルマドリードTVの解説者となり、現役時代お世話になったチームに今も貢献しています。
そして2018年には、日本フットサルのFリーグで親善試合に出場し、現役時代さながらの素晴らしいプレーを魅せています。日本人にも愛されているロベルト・カルロスは、サイドバックでプレーする子供たちの希望となり続けているのです。
ロベルトカルロスのプライベートが凄い!
ロベルトカルロスは、1996~2007年と一昔前の年収であるにも関わらず、およそ44億円規模の資産を所持していると言われています。この額は当時のプロサッカー選手の中ではトップレベルです。
そのため、プライベートでは「ブガッティ」「フェラーリ」などの高級車を乗りこなし、2件の超大きな家を持っています。
豪邸にプールがあるのはもちろん、ウッド調の広々とした部屋やデッキが完備されており、非常に裕福な暮らしをしているようです。
ちなみに女性関係は非常に奔放で、7人の女性との間に9人の子供を設けており、2017年には44歳にして初孫も誕生しています。それでも養育費も十分に払える資金力は流石です。
とはいえ、幼少期は13歳までサッカーと縁が持てなかったほど、貧しい生活を強いられていたロベルトカルロス。まさに自分の足で充実した人生を駆け抜けていったことがわかりますよね。
まとめ
「悪魔の左足」を持ち、当時地味な印象だった左サイドバックというポジションで輝き続けたロベルト・カルロス。
現代サッカーで「サイドバック=攻撃参加」というイメージを強めたのは間違いなくロベルトカルロスの活躍があったからこそ!世界ではマルセロ、日本国内でも長友佑都など、多くの左サイドバックでプレーするプロサッカー選手に夢と希望を与えてきました。
そんな今なお語り継がれる伝説的プレーヤー・ロベカルは、サッカー界に多大なる貢献をした選手だと言えますね。