世界的建築家「伊東豊雄」を巡る旅!日本で見るべき代表作5選

近年、海外から高く評価される日本人建築家が増えており、日本の現代建築に注目が集まっています。美術館やホテル、高層ビルなど世界には日本人建築家が手がけた建築が多数あります。その中でも伊東豊雄は、オペラハウス「台中国家歌劇院」など台湾国内にも建築作品が多く、台湾で高く評価されています。今回は、日本にある伊東豊雄の建築作品の中から特におすすめしたい5つのスポットをご紹介します!

伊東豊雄とは

建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」をはじめ、グッドデザイン大賞や日本建築学会賞、王立英国建築家協会RIBAゴールドメダルなど数々の賞を受賞している伊東豊雄。斬新なアイディアや革新的な技術が織り込まれながらも、街並みや自然との調和が取れる、そんな魅力溢れるデザインに世界から注目が集まっています。また若手の育成にも力を入れており、定期的に伊東建築塾を開催しています。

せんだいメディアテーク

宮城県仙台市にある伊東豊雄の代表作「せんだいメディアテーク」。地下2階から地上7階までの建物でありながら梁が存在せず、柱の代わりに各階を貫く13本のチューブが不規則に並び、屋上から差し込んだ光が透明なチューブを通って各階へ行き渡るのが特徴的。階によって天井の高さも異なり、少ない要素で不均質な空間をつくり出しています。また、建物正面にガラスのカーテンウォールを設置することで建物内外の境界線が曖昧になり、建物と街の調和が取れた建築物です。

今治市伊東豊雄建築ミュージアム

愛媛県今治市大三島町にある伊東豊雄の日本初のミュージアム「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」。鉄板を使った重厚感のある「スティールハット」と旧自邸を再現した軽やかな印象の「シルバーハット」の2棟が、瀬戸内海の青く美しい海の傍に佇んでいます。スティールハットには、伊東豊雄のこれまでの作品や取り組みが展示されており、彼の世界観を体感できます。シルバーハットには、これまで手がけたプロジェクトの中から約100件の図面を閲覧できる図書閲覧スペースやワークショップスペースがあります。

まつもと市民芸術館

長野県松本市にある芸術拠点「まつもと市民芸術館」。建物全体が緩やかな曲線美をまとい、伊東豊雄らしいしなやかな印象。また手作りのガラスを不規則にはめ込んだ外壁や、独特な凹凸で濃淡がある2種類のアルミキャストパネルを交互に並べた外壁も見どころです。建物内は、エントランスホールからシアターパークへと続く緩やかな大階段やロビーの椅子などにも、柔らかな曲線が取り入れられています。主ホールの壁面も曲線を描くことで、音がホール全体に反響する設計です。

多摩美術大学八王子図書館

東京都八王子市にある「多摩美術大学八王子図書館」もまた、伊東豊雄の代表的な建築物の一つとして有名です。最大の特徴は、不規則な曲線を描くアーチが並ぶ外壁。アーチには厚さ15mmのガラスが埋め込まれ、外壁のカーブに合わせて絶妙に湾曲する曲げガラスを使用。1階の約半分が通り抜けられる「アーケードギャラリー」は、インフォメーションとコミュニケーションの空間として活用されています。2階には柔らかいカーペットが敷かれた図書閲覧スペースが広がっています。

みんなの森 ぎふメディアコスモス

岐阜県岐阜市にある市民の活動拠点「みんなの森 ぎふメディアコスモス」。1階の市民交流センターや展示スペースは開放感に溢れ、シンプルで洗練された建造美。2階の図書館は、職人が厚さ2cmのヒノキ材をなじませながら積み重ねた、うねる木造屋根のダイナミックさが特徴的。木造屋根から吊るされた大きなグローブは、昼間は太陽の光を館内に拡散し、夜は照明の光を和らげる役割を果たしています。グローブの下には、自然の温もりを感じながら思い思いの時間を過ごせる空間が広がっています。

日本を代表する建築家・伊東豊雄の建築物の中から、日本で特におすすめしたい5つのスポットをご紹介しました!旅をしながら伊東豊雄の建築思想に触れてみてはいかがでしょうか?

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