「ジョーカー」イベントに又吉直樹が登場!「衝撃を受けて立ち上がれなかった」

1月5日に発表された「第77回ゴールデン・グローブ賞」で主演男優賞(ホアキン・フェニックス)と作曲賞を受賞し、「第92回アカデミー賞」で最多11部門にノミネートされた「ジョーカー」。そのブルーレイ、DVDリリースを記念したトークイベントが1月27日に開催され、お笑い芸人、作家として活躍するピース・又吉直樹と映画評論家の松崎健夫氏が登壇した。

このイベントは元々、1月15日に実施される予定だったが、又吉の体調不良により延期されたもの。イベントの冒頭、又吉は「先日は体調不良により、皆さまに多大なご迷惑をおかけして、申し訳ございません。今、思い出すだけでも怖くなってしまうんですけど、本日はよろしくお願いいたします。元気には見えないと思いますが、体調はよくなりました」と自虐を交えながら報道陣に謝罪した。

「ジョーカー」は、バットマンの宿敵でDCの悪役の中でも人気が高いジョーカーの誕生秘話を描いたサスペンス映画。売れないコメディアンのアーサーが悪のカリスマへと変貌するまでを演じた、ホアキン・フェニックスの鬼気迫る演技が話題を呼んだ。これまで見た映画の中でも特に本作が好きだという又吉は、「公開されてすぐに見に行ったのですが、衝撃を受けすぎて映画が終わってもすぐには席を立てませんでした。僕と同じような人が何人かいたのですが、どうせなら一番最後に映画館を出て、“俺が一番、食らったんだぞ”と思いたかった」と映画から受けた衝撃を語った。

自分も芸人だけに又吉はアーサーに共感することも多いようで、「アーサーはめちゃくちゃ優しい。バスに乗り合わせた少年を笑わせようとして面白い顔をしたら、(少年の)母親から『余計なことせんといてください』みたいなことを言われるんですが、ああいうのには僕はすごく傷ついて、人を楽しませたいだけなのに、なんでこんな思いをするんだろうと思ってしまう。僕も上京して来て、バイトしながら芸人を目指して養成所に通っていましたが、バイト先のオーナーから『又吉より関西出身の(芸人を目指しているわけでもない)先輩の方が面白い』と言われました(笑)。だから、僕は当時のキャッチコピーを“バイト先で2番目に面白い”にしていましたけどね。でも、僕はまだ恵まれていて、舞台の上でそういうことを話すことで笑いにできた。どうも、アーサーは悲劇的なことや憂うつな感情を消化できない。『頑張れ!』と思いながら見ていました。アーサーは世界を信用しすぎているんですよね。もっと性格悪くてもセコくてもいいのに」と自身の経験と照らし合わせながら、アーサーが置かれている状況を分析した。

2月10日に発表になるアカデミー賞について聞かれた松崎氏は、「ベネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を受賞して以来、作品自体が注目されていますけど、僕はホアキンの主演男優賞は堅いんじゃないかと思っています。アカデミー賞はハリウッドで働いている映画人が評価するので、これまでの実績も含めて、ホアキンの演技が映画人に認められるのではないでしょうか」と予想。ホアキンの演技を絶賛していた又吉も頷いていた。

途中、相方で現在はニューヨークにいる綾部祐二が、「ジョーカー」のロケ地の階段でジョーカーになりきった写真をSNSにアップしたことが紹介されると、「こういう所でこういう写真を撮れる精神力が素晴らしい。僕には絶対、できません」と、やや引いていた又吉だが、最後は「『ジョーカー』は人によっていろいろな見方ができると思う。僕のように共感で見る人もいるけど、自分とは切り離して、独立した物語として見ることもできる。自由に見られる映画なのかなと思います」と締めくくった。

【番組情報】


「ジョーカー」
デジタルセル 発売中
ブルーレイ&DVDセット 1月29日発売 4900円+税
ブルーレイ、DVD、デジタルレンタル 1月29日レンタル開始
発売・販売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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