自律移動型ロボット「AYUDA(アユダ)」を活用した庁内案内の実証実験が27日、神奈川県藤沢市役所本庁舎1階エントランスで始まった。同市が取り組む「ロボット未来社会推進プロジェクト」の一環。公共施設で自律走行による案内の実証実験は全国初の試みという。
AYUDAは、ソフトウエア開発のCIJ(横浜市西区)が開発。利用者の目線でサービスが提供できるよう、身長は女性の平均身長と同じ160センチに設定した。2年近くの開発期間を経て実用化を見据える段階に入っている。
実証実験は自律走行による利用者の案内、誘導に眼目を置き、AYUDAを稼働。庁舎入り口付近で来庁者の行き先を受け付け、あらかじめ組み込まれた地図とセンサーで現場の状況を認識しながら、エレベーターまで誘導した。
また、胸部に設置された端末の操作を受け、庁内のエレベーターやコンビニエンスストアをはじめ、周辺の公共施設などについて音声で案内。顔認証機能を活用し年齢も識別した。
市の担当者は「人手不足への対応や業務の効率化も視野に、ロボットと人間の協働による先進的な取り組みになるよう期待したい」としている。
実験期間は31日まで。同社は抽出された課題を解決し、今春の販売開始を目指す。