サイバーセキュリティクラウド 自社開発WAFで急成長 AIで未知の脅威を検知可能に

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国産WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)ベンダーのサイバーセキュリティクラウドは、近年急速に成長率を伸ばしている。新たな技術開発やグローバルでのサービス展開によって「ここ3年の成長率は338%」(大野暉社長)だったという。今後は社内の技術体制を強化するほか、SIerなど新たなパートナー企業との協業を加速させたい考えだ。

大野 暉 社長

2010年8月設立のサイバーセキュリティクラウドは、主力製品としてクラウド型WAF「攻撃遮断くん」を提供。名前の通り、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどウェブアプリケーションに対する攻撃を遮断する。自社で製品開発から運用、サポートまで行い、サポートは24時間365日体制で、日本語で対応していることなどが特徴だ。

大野社長は「新たな脆弱性を反映するスピードが強み」と説明。また、「サーバー1台単位や会社単位など、複数サイトでの利用でもコストバランスに合うような定額の課金体系で提供する。日本の商慣習に合ったプランニングなどが評価されている」と話す。これまでにエンタープライズを中心に1万サイトの導入実績があり、「月次解約率は1.1%」だという。

同製品に加え、アマゾン ウェブ サービスが提供する「AWS WAF」向けのマネージドルールと、AWS WAFの自動運用サービス「WafCharm(ワフチャーム)」を提供。WafCharmはウェブサイトに対する攻撃をAIが学習することで、最適なルールを適用して自動で運用してくれるサービス。「グローバル向けの第1弾サービス」(大野社長)として、30カ国・地域で展開している。

製品のアップデートとして、AI開発にも注力。直近では、ディープラーニングを用いた攻撃検知AIエンジン「Cyneural(サイニューラル)」を昨年8月に開発。導入済みの1万サイトおよびそこから蓄積された8000億件以上のデータをAIが学習することで、未知の攻撃についても検知できるようになったという。

WAFは近年、ウェブアプリケーションに対する攻撃の増加を背景に需要が高まっている市場の一つだ。大野社長によると、「WAF市場は20年前ごろからある」といい、歴史自体は長いが、「セキュリティ意識が高くなかった」ことなどが影響して、近年までそれほど広がってこなかったという。同社では国産のクラウド型製品として、運用やサポート、新しい脅威への対応力などのメリットを打ち出していく。

サイバーセキュリティクラウドでは、直販に加えSIerやディストリビューターなどを介した代理店販売も行っている。特に今後は「これまで付き合いがなかったSIerなどの新しいパートナーを仲間にしていきたい」と話す。また、より多くの顧客に対応できるよう、社内のエンジニア体制を強化し、その後に自社の営業も増やしていく考え。(前田幸慧)