ワールドツアー開幕戦 張本は第5シード<卓球・ドイツオープンシングルス見どころ>

写真:2019グランドファイナルの張本智和/提供:ittfworld

<ITTFワールドツアープラチナ・ドイツオープン 2020年1月28日~2月2日>
2020年最初のワールドツアーであるドイツオープンが28日から開幕する。今大会はワールドツアーの中でも、獲得ポイントの高いプラチナ大会であるため、シーズン初戦ながらハイレベルな試合が見られるだろう。今回は、そんなドイツオープンの男女シングルスの見どころを紹介する。

男子シングルス見どころ

日本勢は9人がエントリー。東京五輪代表候補の張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、水谷隼(木下グループ)は本戦からの出場となる。

張本は今大会第5シードとして出場する。一昨年、グランドファイナルシングルス優勝を果たし、名実共に世界トップ選手の一人となった張本。昨シーズンも、ブルガリアオープン優勝T2ダイヤモンド3位ワールドカップ準優勝、とトップの名に恥じない成績を残した。

先日の全日本卓球選手権(以下、全日本)時に、張本は「バックハンドだけでなくフォアハンドも強化してきた」と語った。好成績を残してもそれに甘んじることなく、日々研鑽を積むその姿勢は、まさにトッププレーヤーそのものだ。今シーズンのワールドツアー開幕戦となる今大会を、張本は表彰台の上で終えることができるのか。是非とも注目したい。

写真:2019グランドファイナルの水谷隼/提供:ittfworld

丹羽と水谷はそれぞれ第11,13シード。両者ともシードのランクはあまり高くないため、厳しいドローが予想されるが、好スタートを切ることができるか。

また、予選からの出場だが、全日本シングルス優勝宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)とベスト4の戸上隼輔(野田学園高)、吉田雅己(FPC)、男子ダブルス優勝及川瑞基(専修大学)にも注目だ。好調を維持しての本戦進出が期待される。

写真:2019グランドファイナルの林昀儒/提供:ittfworld

今大会には、世界ランキング1位(2020年1月現在)の樊振東(ファンジェンドン)、2019年世界選手権シングルス優勝の馬龍(マロン)をはじめとする中国トップ選手や、T2ダイヤモンドマレーシア大会優勝の林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)、地元ドイツの英雄ティモ・ボルなど、世界ランキングトップ10のうちウーゴ・カルデラノ(ブラジル)を除く9選手が参加する。

ハイレベルな戦いを制し、今シーズンワールドツアー初優勝を成し遂げるのは、果たしてどの選手か。

女子シングルス見どころ

写真:2019グランドファイナルの伊藤美誠/提供:ittfworld

日本勢は10名がエントリー。伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)の東京五輪代表候補の3選手は本戦からの出場となる。

昨シーズンのワールドツアーで、日本選手の中では圧倒的な成績を残した伊藤。スウェーデンオープン・ドイツオープン準優勝オーストリアオープン優勝など、その活躍は改めて説明するまでもないだろう。先日の全日本でもダブルス2種目で優勝して、その実力を見せつけた。

今大会は中国トップ選手も大勢参加するため、上に進めば進むほど厳しい戦いになることが予想される。しかし、「負けたからこそまた頑張れる。このあとのツアーを一戦一戦頑張ることが五輪につながる」と全日本シングルス敗退後に伊藤が語っていたように、今夏の東京五輪に繋がる今シーズンのワールドツアーでの勝利は非常に大きな意味をもつ。五輪のメダルを狙う伊藤は、シーズン開幕戦で表彰台に上がることができるか。

写真:2019グランドファイナルの石川佳純/提供:ittfworld

全日本シングルス準優勝の石川は第10シード、先日のTリーグで今シーズン初出場初勝利を挙げた平野は第11シードとして今大会に出場し、上位進出を目指す。

全日本シングルス優勝早田ひな(日本生命)とベスト4の橋本帆乃香(ミキハウス)にも注目したい。両者とも予選から出場するため、まずは本戦進出を目指す。

写真:2019グランドファイナルの孫穎莎/提供:ittfworld

日本勢のライバルとしては、陳夢(チェンムン)、孫穎莎(スンイーシャ)をはじめとする中国トップ選手や、鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)、馮天薇(フォンティエンウェイ・シンガポール)といった世界ランキングトップ10の選手が挙げられる。また、地元ドイツのカットマン、ハン・インにも注意したい。

激しい上位争いが予想される今大会。今シーズン初のタイトルを掴み取るのは、果たしてどの選手か。

文:ラリーズ編集部

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