WRC:シュコダ、ペター・ソルベルグの息子オリバーと協力。ラリー・スウェーデンで共同作業開始

 カスタマー向けラリー車両を展開するシュコダ・モータースポーツが、ペター・ソルベルグの息子でラリードライバーのオリバー・ソルベルグと協力していくことを発表した。
シュコダは2020年のWRC世界ラリー選手権数戦でオリバーの支援を行っていく。

 チェコに拠点を置くシュコダはWRCのサポートクラスである『WRC2プロ』で2019年にドライバーズチャンピオンとマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得した強豪マニュファクチャラーだ。

 シュコダは若手ラリードライバー育成にも力を注いでおり、2020年のWRC最上位クラスを戦っているエサペッカ・ラッピやカッレ・ロバンペラもシュコダで経験を積んだ後、ステップアップしていった。

 そんなシュコダはカスタマーレーシング活動に注力するとして、2020年のWRCにワークス参戦はしておらず、WRC2プロから改称されたワークスチーム/プロチーム向けカテゴリーの『WRC2』にはエントリーしていない。

 今回、そのシュコダが協力していくと発表したオリバーは、2003年のWRCワールドチャンピオンであるペター・ソルベルグを父に持つ弱冠18歳の若手ラリードライバー。1月23~26日に行われたラリー・モンテカルロではフォルクスワーゲン・ポロGTI R5でプライベーター/アマチュア向けカテゴリーの『WRC3』に参戦している。

 そんなオリバーとシュコダ・モータースポーツが協力関係を構築すると発表。ヨーロッパ圏で行われるWRC3の数戦で共同作業を行うとした。その初戦は2月13~16日に開催されるWRC第2戦スウェーデンだ。

 ただし、WRC3はプライベーター/アマチュアを対象としたカテゴリーであるため、ワークスチームとしての参戦ではなく、「可能な限り最高のサービスを提供する」とサポート体制を充実させる形での支援になるという。

 また、FIAがラリーカーのテクニカルグループ名称を変更したことを受け、展開中のカスタマー向け車両『シュコダ・ファビアR5エボ』の名称を『シュコダ・ファビア・ラリー2エボ』とすることもアナウンスされた。

 オリバーはすでに、新たな相棒となるファビア・ラリー2エボのテストを行っており、「スウェーデンで、このシュコダ・ファビア・ラリー2エボをドライブしてラリーを戦うのが待ち遠しい」と意気込みを語っている。

 シュコダ・モータースポーツのミハエル・フラバネク代表は「2020年シーズン、我々はカスタマーチームへの支援を強化すると同時に若手ドライバー育成にも注力する」と述べた。

「オリバーと協力して2020年のWRC3チャンピオンシップを戦えることをうれしく思う。彼はすでに持ち前のスピードを発揮しているから、あとはシーズンをとおして、彼がどう成長していくかが重要だ」

 なお、オリバーは自身のSNSアカウントを通じて「シュコダ・モータースポーツとも戦っていくが、引き続きWRC3の数戦ではポロGTI R5もドライブする。僕の目標はあくまで可能な限り多くのラウンドに出場して経験を積むことだ」としている。

ファビアR5エボから改称されたシュコダ・ファビア・ラリー2エボ

© 株式会社三栄