日本の道にどストライク! VWの売れ線コンパクトSUV「T-Cross(ティークロス)」に試乗

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

拡大中のコンパクトSUV市場にやってきたフォルクスワーゲン

モノコックボディを採用する乗用車派生のクロスオーバーSUV。その人気はアッと言う間に世界へと広がり、今やトレンドセンターへと成長。現在、世界の主要メーカーから様々なモデルがラインアップされているが、クロスオーバーSUVであることを“免罪符”に、ボディサイズは年々拡大傾向なのも事実である。

「流行のクロスオーバーSUVに乗りたいけど、運転しやすいコンパクトなサイズがいい」、そんなユーザーの本音をカタチにしたモデルが、今回紹介するフォルクスワーゲンの末っ子クロスオーバーSUV「T-Cross(ティークロス)」である。

フォルクスワーゲン(VW) T-Crossが属するコンパクトクロスオーバーSUV市場は、今後10年で2倍になると言われている成長カテゴリーと言われている。VW T-Crossは「サイズはコンパクトなのに、室内は広々」と、まるで日本市場を見据えているかのようなパッケージングが特長である。

VW T-Crossのボディサイズは人気のロッキー/ライズと近い!? 個性的な内外装デザインも詳細解説

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

まずVW T-Crossのエクステリアだが、ボディサイズは全長4,115mm×全幅1,760mm×全高1,580mm、ホイールベース2,550mm。実はこれ、全幅以外は現在人気沸騰中のトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーにかなり近い。

ただ、ヘッドライトと一体化されたワイドなラジエターグリル、大型の樹脂製ホイールアーチ(クラッディング)が特長のサイドビュー、そして横長のテールランプなどにより、実際のサイズよりも堂々と見えるデザインに仕上がっている。個性派揃いのライバルに対しコンサバだと言う意見もあるが、個人的にはVWの立ち位置/キャラクターの中でかなり頑張ったと思っている。

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

VW T-Crossのインテリアは、水平基調のインパネ周りこそポロと共通だが、視界の良さや高めの着座位置などにより印象は異なる。

デジタルコクピットではないメーター周りや、各部の質感は兄貴分のVW ティグアンと比べると飛び抜けて高くはないものの、SUVらしい“道具感”があるのでウィークポイントには感じなかった。

後席の広さや荷室の使い勝手など、VW T-Crossの居住性はどうか

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

VW T-Crossの居住性・パッケージングについてみてみよう。

フロントアクスルを車両の前側に配置できる“MQB”プラットフォームと、2550mmのホイールベースにより、居住性はコンパクトな見た目以上に優れている。特にリアシートは着座位置がフロントシートより高めに設定されている上に、14cmのシートスライド機構付。

フォルクスワーゲン T-Cross

ラゲッジルームはシートアレンジやフロアボードにより388~455Lの容量だが、後席を全て倒すと1281Lを実現するなど、ファミリーカーとしても使える多様性を備える。

コンパクトクロスオーバーの多くは後席や積載性を割り切っているモデルも多いが、見た目と実用的のバランスの良さは、「さすがVW!!」と言った感じだ。

カラーコーディネイトは最大21パターン!

フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross

このような内外装に、コンパクトクロスオーバーらしい「遊び心」をプラスさせるのがVW T-Crossの豊富なカラーコーディネイトだ。

ボディカラーは全8色が用意されるが、導入限定モデルとなる“T-Cross TSI 1st Plus”はドアミラーやアルミホイール、ダッシュパッド、シートなどの装備を「ブラック」、「オレンジ」、「グリーン」のカラーコンビネーションから選択可能。その組み合わせは全21種類!!

ちなみにインパクトという意味では、撮影車と同じ「エナジェティックオレンジメタリック×オレンジ」だが、個人的には「マケナターコイズメタリック×グリーン」がクールかつ新鮮に感じた。

フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross
フォルクスワーゲン T-Cross

日本仕様は直列3気筒 1リッター TSI 直噴ターボエンジン+FF仕様のみ。走らせた印象は!?

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

VW T-Crossのパワートレインは、ドイツ本国にはいくつかラインンナップがあるが、日本仕様は116ps/200Nmを発揮する直列3気筒TSI(ガソリン直噴ターボ)+7速DSGの組み合わせ。駆動方式は今のところAWDの設定はなくFFのみとなっている。

プラットフォームはポロと同じ「MQB A0」を採用、サスペンションはフロント:ストラット/リア:トーションビームを採用するが、こちらも全高や最低地上高に合わせてT-Cross専用セットアップが施される。

タイヤサイズはTSI 1stは205/60R16、TSI 1st Plusには215/45R18の大径サイズが奢られる。

では、走らせるとどうか?

VW T-Cross の1リッターガソリン直噴ターボはスペック以上の力強さを見せるが、1800~2000rpmくらいから力強さが増す性格を7速DSGの制御で巧みにカバーするも、日本の道路環境下でよく遭遇する「ほんのちょっと加速したい」と言ったような細かいアクセル操作だと、やや線の細さを感じるのも事実だ。この辺りのドライバビリティ(運転感覚・運転のしやすさ)は、同じ1リッターターボでCVTを搭載するトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーのほうが優れているように感じたが、それ以外はDSGのダイレクト感も相まって、小気味よく走らせることが可能である。

VW T-Crossの乗り心地、ハンドリングはどうか

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

フットワークについては、大径な18インチタイヤを履くTSI 1st Plusの場合、正直言うと乗るまでは「これは見た目重視でしょ?」とあまり期待はしていなかったが、いい意味で裏切られた。

舗装の悪い凹凸を低速で走るとややヒョコヒョコ動く感じはあるも、それ以外は路面の入力を実に綺麗にいなし、アタリの良さや滑らかに走る感覚はクラスレス。むしろ、背の低いポロの走りより好感を持てたくらいだ。あくまでも推測だが、およそ2年前に登場したポロよりも、MQBプラットフォームをより使いこなせるようになったのかも!?

VW T-Crossのハンドリングは、クルマの動き自体決して機敏ではないものの、ポロ+40mmの最低地上高を活かしたストローク感の高いサスペンションと素直なロール感による挙動の解りやすさ、そして滑らかでシッカリ感の高いステアリングも相まって、意外とコーナリングは楽しめる。また、このクラスのモデルにしては静粛性が高いのもポイントの一つで、3気筒のポロポロと言うエンジン音は微かに聞こえるが、ロードノイズは非常に低いレベルに抑えられているのもポイントの一つだろう。

先進安全支援機能は他VW車同様の充実ぶり

フォルクスワーゲン T-Cross

もはやデフォルトとなりつつある安全支援デバイスは、上級モデルと変わらず全車追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)や歩行者検知対応プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”、駐車支援システム“Park Assist”、ブラインドスポットディテクション(後方死角検知機能)など、上級モデルと変わらないアイテムがTSI 1st、TSI 1st Plus共に標準装備される。

山本シンヤが総評! VW T-Crossは買いか!?

フォルクスワーゲン T-Cross(ティー・クロス) TSI 1st Plus[FF]

総じて言うと、T-Crossは真面目なVWらしい“総合力”と、真面目なVWが最も苦手だった“遊び心”が上手にバランスされており、コンパクトクロスオーバーSUV最後発ながらも要注目な一台と言えるだろう。

惜しむべきはAWD(四輪駆動)モデルが本国仕様も含めて設定がない事だ。欧州でのコンパクトクロスオーバーSUVは、どちらかと言えばコンパクトカーからの乗り替えと言うニーズが大きいと言う判断だと言うが、この辺りは積雪地域も多い日本のユーザーがどのように判断するか気になるところである。

[筆者:山本 シンヤ/撮影:和田 清志・フォルクスワーゲン グループ ジャパン]

VW T-Cross(ティークロス) 徹底解説

フォルクスワーゲン(VW)の日本法人フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は2019年11月27日、新型車のT-Cross(ティークロス)を発表した。フォルクスワーゲンの新世代プラットフォームMQBベースとした、売れ筋ど真ん中のコンパクトSUVで、わかりやすく表現するならコンパクトハッチバック“ポロ”をベースにしたSUVということになる。<↓続きはこちらから↓>

フォルクスワーゲン T-Cross
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