スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦しているカワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKは、1月22~23日にヘレステストに参加したが、1月27日はポルトガルテストに参加せずスペインのカタロニア・サーキットでプライベートテストを行った。チームに所属するライダーふたりはどちらのテストでも好感触を得たようでポジティブなコメントを語っている。
2020年のSBKはシーズン開幕に向けたプレシーズンテストが1月22~23日にスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで、1月26~27日にポルトガルのアウトドローモ・ド・アルガルベで実施され、レギュラー参戦するほとんどのライダーが参加した。
しかし、カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKはヘレステストには参加したもののポルトガルテストには参加せず、第11戦スペイン(カタルーニャ)の開催地であるカタロニア・サーキットで1日プライベートテストを行った。
まず、以前のマシンセットアップと新しく開発された部品の比較をヘレステストで行ったカワサキ。ヘレスの初日は悪天候だったためジョナサン・レイはコースに出ることなく終えたが、2日目はドライコンディションに変わったタイミングもあり走行した。19周とライバルたちと比べ最小のラップを刻んだが1分40秒983で最速タイムをマークし王者の貫禄をみせた。
レイは2019年11月にアラゴンとヘレスで行ったウインターテストで試したものを再度確認。コーナリングに焦点を当てたテストもできたという。「一歩前進したと思う。2日目は何周か走ることができ、基本的には11月に持っていたアイテムをすべて確認できた。バイクの異なるバランスを試すことができたのが良かったことだ」
チームメイトのロウズは11月のテストで、ライディングポジションを含め改善したい個所があったようで、そのセッティングを試した。ヤマハから移籍したロウズは、カワサキ・ニンジャZX-10RRでのウエットコンディション走行に慣れるため初日からコースイン。
ロウズは初日、25周を走り7番手タイムとなる1分53秒246を記録した。2日目は、ライディングポジションを改良し44周を周回、1分41秒642で4番手タイムと上位進出を果たした。「ミックスコンディションでバイクに乗れたことが嬉しく、本当に良いテストができた」とヘレステストを振り返る。
「ウエットでもドライでも速かったし、乗り心地は格段に良くなった。今は良いライディングポジションを見つけているしそれをキープしたい。ドライでの走行は長くなかったが、ここに来た時より快適に乗れていることはプラスになった」
ウエットコンディションの時間が長く走行機会が少なかったヘレステスト。それでもカワサキのふたりは計画されたテストをこなすことができたというが、さらにセッティングを煮詰めるためにカタルーニャに移動した。
カタロニア・サーキットはF1やMotoGPでは長年開催されてきたが、SBKのレースが行われるのは2020年が初の試みだ。SBKでは9月18~20日に第11戦として行われる。カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKはポルトガルに移動せず同地でプライベートテストを1日実施することを選択した。
このテストが終わると、オーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで開幕直前の2月24~25日に行われるテストまで走行は持ち越しとなるため重要な走行となった。
カタルーニャではレイとロウズともに初めて使用するコースとなるため、カワサキ・ニンジャZX-10RRで走行したデータを収集したという。もちろん開幕戦のために戦闘力のあるマシンも作り、最終的なマシンセットアップに仕上げた。
レイはマシンのバランスと全体的なセットアップに取り組み、ロウズはコースレイアウトだけでなくマシンキャラクターをさらに学んだテストとなったという。
「コースはドライで何周も走ることができた。ヘレスのテストではわからないアイテムをここでいくつか作れたし、最後にフロントサスペンションを試した」と以下のように自信のあるコメントをしたのはディフェンディングチャンピオンのレイ。
「良かったところは、このコースを楽しめたしここでバイクがうまく機能することだ。良い心構えができた。僕は、速く走れると感じているしこのポジティブなテストにより開幕戦を迎える準備ができた」
ロウズは「この冬はドライでの走行機会が少なかったから、カタルーニャでのテストに感謝している」と初めて走行したカタロニア・サーキットの印象を語った。
「このトラックは素晴らしい。初めてのコースに来るのはいつもエキサイティングだ。僕は長年レースをしているから走ったことのないサーキットはほとんどないんだ」
「テストは楽しかったし、他のテストよりバイクについて多く学べたからフィリップアイランドに行くことはポジティブだ。レースの開始が待ち遠しいよ」