日立など、日立市でMaaS実証を開始

株式会社日立製作所(以下、日立)、茨城交通株式会社、株式会社みちのりホールディングス等で構成される日立市新モビリティ協議会は、2月から茨城県の日立地域でMaaSの実証実験を開始する。

同実証は、都市部のように交通手段が充実しておらず、自家用車への依存度が高い地方部にMaaSを導入することで、公共交通の利便性を高め、地域における社会課題の解決をめざす。具体的には、以下の内容を提供する。

  • 通勤時、自宅近辺のバス停を指定できる「通勤型デマンドサービス」の運行
    日立グループの社員を対象とした、朝夕1便づつ運行するデマンドバスだ。ルート上にオンデマンドバス停を多数設置しているため、利用者は自宅の近くで乗降することができる。利用者はアプリから乗降するバス停を指定して予約し、バスは予約のあるバス停にのみ停車する。運賃は片道500円で、アプリで決済する。
  • 「大沼BRT」バス停と大沼エリアの間を相乗りタクシーで送迎する「ラストワンマイル型デマンドサービス」の運行
    茨城交通のバス停「大沼BRT」を利用する住民などを対象に運行するラストワンマイル型のサービスだ。利用者はアプリから予約すると無料タクシーがバス停から自宅まで送迎する。予約が複数入ると相乗りで運行する。

これらのサービスは、株式会社ナビタイムジャパンの技術を活用し開発した無料MaaSアプリ「Hitachi City MaaS Project」で予約可能だ。同アプリは以下の機能を有している。

  • 既存交通手段を繋ぐ経路検索
    茨城県内全ての既存交通手段を組み合わせた一元的な経路を案内
  • 域内の新たな交通手段の予約
    「通勤型デマンドサービス」と「ラストワンマイル型デマンドサービス」の予約ができる。(デマンドサービスの利用は2月3日~28日まで)
  • 日立市内バス一日乗車券の購入(2月中旬頃に機能追加予定)
    路線バスおよびBRT(※)バス一日乗車券を購入できる。価格は1枚700円。

同実証では、まず本日より同アプリをリリースした。続いて、「通勤型デマンドサービス」「ラストワンマイル型デマンドサービス」を2月3日から28日まで実証運行する。

同地域では、2018年度に国土交通省および経済産業省連携事業の「ラストワンマイル自動走行実証事業」として、ひたちBRTにてバスの自動運転実証を実施したが、2020年度も実証実験を行う。なお、同実証は、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」および経済産業省の「スマートモビリティチャレンジ」の採択を受け、行うものだ。

※Bus Rapid Transitの略で、バス専用道等を組み合わせることで、速達性・定時制の確保や輸送能力の増大が可能となる可能となる高次の機能を備えたバスシステム。

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