大泉洋×小池栄子のW主演で、舞台「グッドバイ」を映画化!! 「見てくださった方に、イイ男とイイ女なんだと一瞬でも思ってもらえたら(笑)」
小池栄子が読売演劇大賞最優秀女優賞に輝いた舞台「グッドバイ」が、成島出監督によって映画化。W主演を務める大泉洋と共に、息の合ったトークで見どころを語る。
──撮影中はいかがでしたか?
小池「成島監督が楽しそうだったのがすごくうれしくて。今まではシリアスな作品でご一緒していたので、あまり現場で笑顔を拝見することがなかったんです。病気からの復活ということもあり、この映画が持つ“前に進んで行く、生きる力”が光ってくるなと。今の監督が撮るからなお、意味があるんだと思います」
──大泉さんは原作となった舞台はご覧になっていましたか?
大泉「残念ながら見れていないんです。舞台の映像をお借りして見ようとしたら、なぜか途中で見られなくなって。ダビングが悪かったのかな?」
小池「ええ! 本当に?」
大泉「でも、後半どうなったのか分からないくらいで演じた方がいいのかなと。見るとどうしても引っ張られちゃうから」
──大泉さんは今回、成島組初参加ですよね。
大泉「実は成島さんとは田中泯さんの舞踏公演でお会いするという、変わった出会いだったんです。終演後、泯さんも含めて軽く飲んだ時に、“ぜひ、いつか”と言っていただいて。不思議なご縁ですよね。プレッシャーもありましたが、戯曲を読んでワクワクして、あまりにも面白かったのでやってみたいなと」
──お二人の息もぴったりです。
大泉「三谷(幸喜)さんの舞台で共演しているのが大きいよね」
小池「そうですね。公演中に関係性も深まりましたし」
大泉「映画で恋愛関係を演じるわけですから、稽古中は仲良くなり過ぎないようにしていたんです。緊張感を持ったまま映画に入りたかったのに、ある時、彼女が僕を“ねえ、大泉”と呼び捨てにした瞬間があって。結局、クランクインする時には先輩後輩も飛び越えて、中学の同級生みたいな感じでした(笑)」
小池「私は仲良くなりたかったんです。呼び捨てにして、大泉さんの懐の広さを図るみたいな(笑)。私は大泉さんの大ファンなので、もちろんリスペクトしてますよ! そのファン心理と田島(大泉)を好きになっていく気持ちがリンクする部分もあって。いい感じに混ざり合って作用してくれたと思っています」
──小池さんから見た大泉さんの役柄の魅力を教えてください。
小池「人たらしで女性が放っておけない田島という役を、大泉さんの力で見事に作ってくださったなと。時折、ふとした表情が色っぽいんですよ。“しょうがない”と許せてしまうというか」
大泉「時折じゃなく、全編セクシーに演じたつもりなんですけど」
小池「そうでした? 変態男みたいなシーンもありますよ(笑)」
大泉「変態男とか、たまにカッコよく見えるとか…。田島は大変モテる男ですから。全編カッコよく演じたつもりなんです!」
──大泉さんはいかがですか?
大泉「キヌ子には小池さんのキャラクターが存分に反映されていますよね。非常にエキセントリックな人で、突然訳の分からない暴力を振るってくるかと思えば、ウブなところもある。そのギャップが何とも言えずかわいらしいんですよ。小池さんも若干のツンデレ感がありますから。印象的なのは、担ぎ屋の汚いキヌ子から絶世の美女になるシーン。本当に奇麗で、メークってすごいなと思いました(笑)」
小池「映画を見てくださった方に、“小池栄子って奇麗だったんだ”と思ってもらえたら(笑)」
大泉「メークってのは冗談で(笑)。本当にお奇麗ですよ」
小池「大半の人がそう思ってないですよ。お互いに」
大泉「誰がお互いだよ(笑)」
小池「見てくださった方に、イイ男とイイ女なんだと一瞬でも思ってもらえたら(笑)」
【OUR『ほっとけない男』MOVIE】
大泉「ほっとけない男ですか。あれは?『バッファロー’66』(’99)」
小池「ああー! ありましたね。ヴィンセント・ギャロの」
大泉「あとは『青天の霹靂』(’14)かな。自分で演じた役ですが、あの人はほっとけない。『アイアムアヒーロー』(’16)も」
小池「自分の作品ばっかり(笑)。『釣りバカ日誌』はどうです?ハマちゃんはほっとけないですよね。私は甘えん坊要素がある人が好きなんです。男性が崩れた瞬間とか、強がっているところがかわいいなと。結構、どんなタイプの男子も愛おしく思えるタイプかもしれません」
大泉「旦那さんを知っているだけに、“何を言ってるんだろう?”という感じですけど。どこにもかわいさを感じないですよ?」
小池「気がちっちゃいからキャンキャン吠えてるんですよ。かわいいでしょう(笑)?」
大泉「小池さんは、ただ顔の怖い人が好きなんじゃないの(笑)?」
小池「強がってカッコつけている男の人にキュンとなるんですよ。何でもできる完璧な男性はあまりかわいくないです(笑)」
【プロフィール】
大泉洋(おおいずみ よう)
1973年4月3日北海道生まれ。牡羊座。B型。待機作には映画「騙し絵の牙」(6月19日)、「新解釈・三國志」(’20年12月)、イッセー尾形、小日向文世との3人芝居の舞台「ART」が3月20日から、三谷幸喜作・演出の舞台「大地」が6月20日から上演予定。
小池栄子(こいけ えいこ)
1980年11月20日東京都生まれ。蠍座。AB型。近作に、映画「記憶にございません!」、ドラマ「俺の話は長い」「わたし旦那をシェアしてた」(ともに日本テレビ系)、「リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~」(テレビ東京系)など。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)などにレギュラー出演中。
【番組情報】
「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」
2月14日公開
監督/成島出 出演/大泉洋 小池栄子 水川あさみ 橋本愛 緒川たまき 木村多江 濱田岳 松重豊ほか
太宰治の遺作をケラリーノ・サンドロヴィッチが完成させた舞台「グッドバイ」(’15年)を映画化。なぜか女にモテる文芸誌編集長・田島(大泉)が愛人たちと別れるため、金にがめつい女・キヌ子(小池)に“嘘の妻”を演じるように頼む。
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取材・文/石本真樹 撮影/須田卓馬
ヘア&メーク/西岡達也「ラインヴァント」(大泉)、山口公一「スラング」(小池) スタイリング/九「Yolken」(大泉)、えなみ眞理子(小池) 衣装協力/ランバン オン ブルー(小池)