<レスリング>「ヤリギン国際大会」(ロシア)出場の女子選抜チームが帰国

ロシアから帰国した女子チーム

 2020年「ヤリギン国際大会」(ロシア・クラスノヤルスク)に出場した女子選抜チームが1月28日、成田空港に帰国した。若手中心のメンバーで、53kg級の今井佑海(日大)が優勝したほか、2位が4選手という成績だった。

 齊藤将士監督(警視庁)は「金1・銀4」という成績に「悔しいという気持ちはあります」と第一声。全体的によく攻めていたことは確かだが、「その後の処理に甘い部分があった。この部分を、もっとしっかりやっていかないとならない」と言う。

 特に50kg級の五十嵐未帆(明光ネットワークジャパン)、55kg級の東川加奈(至学館大)、59kg級の今佑海(鹿児島県体協)、72kg級の進藤芽伊(日体大)は来月のアジア選手権(インド)にも出場するので、技術面での修正が急務。「今回の試合で駄目だった部分を修正し、絶対に優勝させたい」と話した。

 日本は毎年出場している大会だが、同監督は初めての同行だという。「男子も含めて、ロシアの層の厚さを見ることができました。組み手は日本選手とは違うし、返し技もうまい。とても勉強になりました」と言う。氷点下の地域での試合も初めてだが、「コンディションづくりは、みんなしっかりできていました」と話し、選手の自覚を賞賛した。

 金浜良コーチ(ジャパンビバレッジ)は、若手チームだけに、もっと厳しい結果が出てくることも予想していたそうで、「よくやったと思います」と振り返る。怖がらずに攻めるレスリングを課しており、「この点ではよくできた」と言う一方、「相手の動きをとらえていない時に(不用意に)攻めてカウンターで取られることもあった。タックルに行く前の対応をしっかりする必要がある」と言う。

 アジア選手権に出場する4選手に対しては、「同じような試合の流れになった時、失敗せずに接戦をものにできれば、必ず勝てると思います。今回の経験を生かしてほしい」と期待した。

メダル獲得選手。左から東川加奈(55kg級=至学館大)今井佑海(53kg級=日大)、澤葉菜子(57kg級=至学館大)、今井海優(65kg級=自衛隊)、宮道りん(68kg級=日体大)

 唯一優勝した今井佑海(日大)は「簡単に金メダルは手にできないと思っていましたが、ふだんから練習しているハイクラッチのタックルが全試合に出せ、そのあとの連係もうまくいって、ふだん練習していることが出ました」と振り返る。

 国際大会は2018年のアジア選手権、世界ジュニア選手権、2019年のクリッパン女子国際大会、アジア・ジュニア選手権、オリンピック・テスト大会に続いて6大会連続優勝(通算7度目)。外国選手に強い理由を聞くと、「日本選手にはない力を持っている選手もいますが、技では日本選手の方が上。日本選手にはかからない技が外国選手にはかかることが多いから」とのこと。

 ロシアではアウェーでの闘いとなり、日本では経験できない寒さとの闘いもあったが、「そうした状況でも、焦ることはなかった」と言う。

 外国では勝ち続けても、「国内で勝つ方が難しい階級です。国内でしっかり勝てるよう、もっと練習しなければなりません」と、気を引き締めることを忘れない。この後は、4月のジュニアクイーンズカップで勝ち、世界ジュニア選手権2度目の優勝を目指す。

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