カミラ・カベロ『ロマンス』 自らのアイデンティティにこだわったスーパー・ヒロイン

カミラ・カベロ『ロマンス』

 シングル『ハバナ』そしてアルバム『カミラ』で全米No.1に耀いた、ハバナ出身の情熱の歌姫カミラ・カベロのセカンド・アルバムです。アメリカ版Xファクターに出演しガールズ・グループ、フィフス・ハーモニーを結成、2枚のヒット・アルバムをリリースして順風満帆と思われていた16年にグループを突然脱退、ソロシンガーとして活動を開め上記の成功を収めました。

 97年生まれの22歳、所謂「ジェネレーションZ」の彼女は、タイプこそ違いますがビリー・アイリッシュ同様、これまで大人が作った業界の常識などにこだわらず自らのアイデンティティを表に出した作品作りをしています。ヒット曲といえばR&B風ポップスといった常道路線を追ったフィフス・ハーモニーに反発し、ラティーナである自らのルーツのラテン・リズムを今作でも取り入れています。『ロマンス』と題されたアルバムのタイトルどおり、歌詞の内容は赤裸々な彼女の恋愛体験。これまでのアイドルにはなかったリアリティーを感じさせる作品です。

(ソニー・ミュージック・2200円+税)=北澤孝

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