新型肺炎 長大病院 受け入れ訓練 重症患者発生に備え

重症患者役の男性の採血をする医師=長崎市、長崎大学病院

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、長崎大学病院(長崎市坂本1丁目)は28日、県内で重症患者が発生した場合に備えて受け入れ訓練を実施した。
 同病院は県内唯一の第1種感染症指定医療機関で、エボラ出血熱など危険度が高い「1類感染症」の病床がある。訓練はこの病床の部屋を使い、中国・武漢市から訪れた68歳の中国人男性が新型肺炎と診断され、呼吸不全の状態で搬送されてきたとの想定で実施した。
 感染症や呼吸器の専門医、看護師ら約20人が参加。治療に当たる6人が気密性の高い防護服やゴーグル、手袋などを着用し、患者役の男性をストレッチャーに乗せて病床に運び込んだ。別室の医師の指示を受けながら、医師3人と看護師1人が防護服でも普段通りに問診、採血、人工呼吸器につなぐ気管チューブの挿管ができるかなどを確認した。
 同病院の泉川公一・感染制御教育センター長は「難しい環境の中でうまくいかない部分を洗い出したい」と話した。
 また、クルーズ船に乗った多くの中国人観光客が上陸する長崎港そばの長崎みなとメディカルセンター(長崎市新地町)は、中国人向けに中国語のチェックシートを作成した。熱が37.5度以上で息苦しさなどがあり、▽2週間以内に武漢を訪問▽新型肺炎患者と接触-の各項目に該当した場合は、感染症専用の診察室に隔離するという。

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