「若く優秀な人材を獲得」スポット溶接ロボット製造 電溶工業 長崎県、大村市と立地協定

立地協定に調印し、握手を交わす(左から)中村知事、中村社長、園田市長=長崎市南山手町、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル

 自動車メーカー向けスポット溶接ロボットを手掛ける電溶工業(山梨県)は28日、設計や開発を担う「長崎テクニカルセンター」を大村市に開設する立地協定を、県、同市と締結した。
 同社のロボットは金属に圧力を加えながら電流を流して溶接するもので、自動車のボディー製造の工程で利用されている。主な取引先はホンダや三菱、スズキなど。海外では4カ国に拠点を持ち、うち中国とインドは工場機能を備え、現地の自動車メーカーに納入している。
 長崎テクニカルセンターは同市雄ケ原町のアルカディア大村に立地し、4月1日に事業開始予定。5年間で11~12人の雇用を計画しているという。
 調印式で同社の中村章男社長は、長崎での立地を決めた理由について「事業継続計画(BCP)の観点から適当と判断した。県内には技術系大学や高専、工業高校が充実しており、若く優秀な人材の獲得にも期待したい」と述べた。同席した中村法道知事は「若者の県内就職やUターンにつながる」、園田裕史市長は「企業同士のマッチングが今後進んでいけば」とそれぞれ期待を語った。
 同社は1967年設立。2018年6月から19年5月までの1年間の売上高は22億3千万円。従業員数は99人(1月1日現在)。

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