長崎 この冬雪降らず 最も遅い記録更新 雲仙の霧氷も少なく

 この冬、長崎市ではまだ初雪が観測されていない。長崎地方気象台によると、統計を開始した1889年以降、最も遅い観測は1972年の1月27日。その記録も更新し、歴史的な暖冬となっている。統計開始以降、雪を観測しなかった年はないという。
 同気象台によると、日本付近で偏西風が北に蛇行し、寒気が南下しにくくなっており、冬型の気圧配置とされる「西高東低」が長く続かないことなどが暖冬の要因。
 昨年12月29日~1月27日の平均気温をみると、県内の全観測地点が平年よりも2.2度~3.4度上回っている。福岡管区気象台が24日に発表した3カ月予報によると、2月以降も長崎を含む北部九州の気温は平年より高くなる見込み。一時的に寒気が流れ込む可能性はあるが、長崎地方気象台は「雪の降らない冬もあり得る」とみている。
 一方、お山雲仙の冬の風物詩、霧氷にも暖冬が影を落としている。雲仙ロープウェイによると、1月の観測日数は27日現在で10日間。例年に比べ、5日ほど少ないという。来月からは霧氷にちなんだイルミネーションイベントを予定していて、関係者は「主役不在は避けたい」と気をもんでいる。

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