井上靖しのび、ぼた餅供え

鳥取・日南町、小説の舞台

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作家の故井上靖さんをしのぶ「碑前祭」。前列右から2人目は次女の黒田佳子さん=29日午前、鳥取県日南町

 作家の故井上靖さん(1907~91年)の家族が戦時中に疎開した鳥取県日南町で、命日の29日、井上さんをしのぶ「碑前祭」が行われた。来年の没後30年を前に親族も参加し、当時、町民が一家に振る舞った塩ぼた餅を文学碑に供えた。

 横浜市から出席した次女黒田佳子さん(74)ら親族と参加者は碑前祭の後、近くの公民館に集まり、ぼた餅を味わった。黒田さんは「父は素晴らしい自然と皆さんの温かさにひかれたのだろう」と懐かしんだ。

 碑前祭は、昭和の文豪との縁を語り継ごうと町民の有志が毎年実施。日南町を舞台にした小説「通夜の客」の一節を井上さんの文学碑前で朗読し、しのんでいる。