元NGT48山口真帆さん暴行裁判は新証拠出ず 社名を変えたAKSは長期化の構え 「和解の動きはない」

取材に応じるAKS代理人の遠藤和宏弁護士=29日午前11時50分、新潟市中央区の新潟地裁前。

NGT48のメンバーだった山口真帆さん(24)=脱退=が自宅に押し掛けたファンの男性2人に暴行を受けたとされる事件を巡って、NGT48を運営するAKSが、男性らを相手取って提訴してから半年。双方ともここに来て、特に目新しい証拠の提出もなく、迷走しそうな展開となっている。

29日、新潟地裁(篠原礼裁判長)で行われた弁論準備手続きで、AKS代理人の遠藤和宏弁護士は「被告側から新たな証拠の提出はなかった」と述べる一方、「和解の動きはない」と述べ、長期化する可能性を示唆した。

被告側からの新たな証拠の提出がない中、原告が求めた被告男性らの取り調べ時の供述調書、携帯電話の差し押さえ調書の文書送付嘱託も29日までに新潟地検は不同意とする決定をした。

今回の手続きで、原告側は、山口さんの同意が得られたとして、再度、新潟地検に文書送付嘱託を求めた。

ただ、司法関係者によると、「文書送付嘱託をこの件で認めると、全国で同様の要請がある可能性があり、検察が認める可能性は低いのでは」との見方がある。

刑事訴訟法47条に「訴訟に関する書類は、公判の開始前にはこれを公にしてはならない」という条文があり、検察はこの条項を今回の不同意の理由とした。一方で同法47条には「但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りではない」ともある。

いずれにせよ、双方から新たな証拠の提出もなく、長期化は避けられなさそうだ。AKSは社名を2月からヴァーナロッサムに変更することを発表しているが、2月以降は同社に名義を変えて訴訟を継続するという。(文◎村田京子)

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