西武渡辺GMが明かす“地味な格安新助っ人”の成算 「ひょっとしたらひょっとする」

(左から)入団会見に臨んだ西武のショーン・ノリン、渡辺久信GM、コーリー・スパンジェンバーグ【写真:宮脇広久】

新助っ人のスパンジェンバーグ外野手、ノリン投手が入団会見

 西武の新外国人、コーリー・スパンジェンバーグ外野手(前ブルワーズ)とショーン・ノリン投手(前マリナーズ傘下)が29日、埼玉の球団事務所で入団会見。スパンジェンバーグは年俸8000万円、ノリンは6000万円で、同じくこの日入団会見を行ったソフトバンクのバレンティン(前ヤクルト)の2年総額10億円、オリックスに加わったジョーンズ(前ダイヤモンドバックス)の2年総額約8億7000万円などに比べると、地味だが、渡辺久信GMには、それなりに成算があるようだ。(金額は全て推定)

 スパンジェンバーグは右投げ左打ちで、内外野どこでも守れる器用さが売り物。昨年1年間だけでも投手と捕手を除く全ポジションを守ったという。辻監督がメジャーに移籍した秋山に代わる1番候補と期待する打順も、「プロで1~9番の全てを打ったことがある」と問題ない様子。

 渡辺GMは「(ポジションや打順は)まだどこで使うかわからないが、プレースタイルは常に全力で攻撃的。どのポジションを守っても、平均より上のスキルを持っている。それに、本人は足に自信をもっている。塁に出たら積極的に走るタイプ。相手にとっては、足が脅威になる」と、昨季マイナーで28盗塁をマークした走力を買っている。

 2011年にパドレスにドラフト1巡目指名されて入団し、17年には129試合に出場するなど大リーグ通算419試合に出場。メジャー実働6年で29本だった本塁打も、渡辺GMは狭い日本の球場なら量産可能とみており、「意外にパンチがある。ひょっとしたらひょっとする」と期待を寄せている。

渡辺GMは左腕ノリンを「日本に来てもストレスを感じないで冷静に投げられる」と評価

 一方、身長193センチの左腕ノリンは、今季はマリナーズ傘下のマイナー3Aタコマでプレー。メジャー通算では8試合に登板し1勝3敗。17年にトミー・ジョン手術を受けてからメジャー登板がないことも気がかりだが、渡辺GMは「非常にクレバーな投手。投げる以外のけん制、クイックなどもできる。日本に来てもストレスを感じないで冷静に投げられる」と評し、先発ローテの一角に期待する。

 確かに、メジャーで実績があっても、クイックが下手で走られ放題の投手もいるから、日本で成功するための重要なポイントではある。

 今季の西武は2月5日頃に来日予定のリード・ギャレット投手(前レンジャーズ傘下)、昨季12勝のニール、4億円ダウンの今季年俸1億円を飲み残留した大砲メヒアを加えた5人で出場登録枠を争う。

 パ・リーグ2連覇を果たしながら、いずれもクライマックスシリーズでソフトバンクに苦杯をなめた辻西武を、格安助っ人がリベンジの日本シリーズ進出、そして日本一に導くか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2