ブライアントの主張認められず 「FAまであと2年」で確定

カブスが誇るスター三塁手、クリス・ブライアントは新人王に輝いた2015年シーズンについて「意図的にメジャーデビューを遅らされた」として、球団への不満を示し、公的機関への調停を求めていた。しかし、日本時間1月30日、ブライアントの主張が認められなかったことが明らかになり、この結果、カブスは2021年シーズン終了後までブライアントを保有できることに。フリーエージェントまでの残り年数が確定したため、トレードへの動きが加速する可能性もある。

メジャーリーグではサービスタイム(簡単に言うとメジャー登録日数)が3年を超えると年俸調停の権利を得ることができ、6年を超えるとシーズン終了後にフリーエージェントとなる。メジャー1年目にレギュラーシーズンの最初の数週間をマイナーで過ごさせてから昇格させるとこの年のサービスタイムが1年未満となるため、球団は選手がフリーエージェントとなるのを1年遅らせることができる。カブスが2015年のオープン戦で大活躍したブライアントをマイナーでスタートさせ、4月中旬にメジャーデビューさせたのもそれが狙いだった。

これに対し、ブライアントは「意図的にメジャーデビューを遅らせて保有期間を1年延ばすやり方は無効だ」として、今季終了後にフリーエージェントになることを主張。正式な裁定結果を待っている状況だったが、ブライアントの主張は認められなかった。よって、ブライアントがフリーエージェントとなるのは2021年シーズン終了後で確定し、カブスはあと2年ブライアントを保有することができる。

フリーエージェントまでの残り年数が確定し、トレード市場での価値が定まったことにより、噂されているトレード放出への動きが加速する可能性がある。ただし、カブスは「フリーエージェントまで残り1年のブライアント」に対して莫大な対価を要求していたことが報じられており、「フリーエージェントまで残り2年のブライアント」にはそれ以上の対価を要求するのは間違いない。ジョシュ・ドナルドソンと再契約できなかったブレーブスなどが獲得候補に挙がるものの、カブスの要求を満たす対価をオファーする球団が現れる可能性は低く、ブライアントは今季もカブスの正三塁手として開幕を迎えることになりそうだ。

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