水田の“厄介者” ジャンボタニシを超音波で駆除 佐世保高専・柳生准教授 工学的見地から技術開発中

電流を流すと電極に集まる習性を発見した実験(柳生准教授提供)

 佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)電気電子工学科の柳生義人准教授は、稲などの水田作物を食い荒らすジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を、電気に反応する性質を利用して捕獲し、超音波照射で駆除する技術の開発に取り組んでいる。薬剤を利用せず、工学的なアプローチとして注目されている。
 1980年代に食用として導入されたジャンボタニシは、水田作物を加害する外来種として知られる。食害防止策として、農薬の散布や人の手による捕殺が一般的。しかし決定的な防除方法はないという。
 柳生准教授は、ジャンボタニシが電流を流すと電極に集まる習性があることを発見。佐賀県の有機レンコンを栽培する農地で実験をしたところ、約600匹の捕獲に成功した。別の実験では、低周波の超音波を当てると、高い確率で駆除できることが分かった。
 今後は、捕獲から駆除までの技術を組み合わせ、メンテナンス不要の駆除装置の開発を目指している。柳生准教授は「暖冬の影響で、今年は大量発生の恐れがあり注意が必要。一刻も早く実用化し、被害に困っている農業従事者を助けたい」と話した。

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