奈良市火葬場建設めぐり住民訴訟 市長に賠償金請求 住民勝訴

 奈良市が建設を進める火葬場をめぐり、買い取った土地の価格が違法に高いなどとして、市民が市長らにおよそ1億6800万円の損害賠償などを求めた住民訴訟で、奈良地裁は30日、全額を支払うよう命じた判決を言い渡しました。

 裁判の舞台となったのは、奈良市横井町の山林に市が建設している新たな火葬場です。市は、土地を2人の所有者から合わせて約1億6772万円で購入し、現在建設を進めています。これに対し、住民らでつくる原告団は、この価格は不動産鑑定評価額の3倍にあたる不当な高額で、売買契約は市長の裁量をこえているとして、仲川市長らに全額返還を求めるよう訴えていました。今回の判決公判で、奈良地裁の島岡大雄裁判長は、売買契約は違法と言わざるを得ないと認め、市長に対して全額の支払いを命じる判決を言い渡しました。記者会見で原告団は・・・

厚井弘志さん 

「今回の判決は全額、総額に関係なく払えということですので、私どもの想いをすべて込められた判決ではないかと個人的に思っています。市の行政や議会の審議の助けになるひとつのきっかけになればと思います。」

 一方、判決を受け、仲川市長は「主張が一部認められず、残念に思います。判決内容を十分に精査し、今後の対応を検討したい」とコメントしています。

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