トランプ大統領ってピンチなの?アメリカの政治と弾劾裁判について、よくわかるカイセツ!

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国内や国際的なニュースについて、若者目線からわかりやすく解説します。今回のテーマは、アメリカの弾劾裁判。日本でもその派手な言動で注目を集めるトランプ大統領ですが、大統領が裁判にかけられているとはどういうことなのか?アメリカの政治制度のキホンから理解していきましょう!

2020年アメリカ大統領選挙に向けて|アメリカの政治制度って?

2020年11月3日、アメリカは大統領選挙を迎えます。
4年前、トランプ氏が大統領に就任したニュースはまだ記憶に新しいという方もいるのではないでしょうか?
そこで、今回は改めてアメリカの選挙制度について確認したいと思います。

アメリカはトランプ大統領という言葉にも見られる通り、大統領制という政治制度を採用しています。アメリカでは、以下の図のように議会と大統領の関係が強くはっきりと分かれています。

アメリカの大統領は議員との兼職が禁止されており、議会で選出される首相によって内閣が組織される日本とは大きく異なっています。

では、アメリカの大統領に立候補できる条件とは具体的に何でしょうか?

議員との兼職が禁止されている大統領ですが、具体的な立候補の条件がしっかりと規定されています。以下の3点が大統領選立候補の条件です。

・35歳以上である
・アメリカ国内で出生している
・立候補時点で14年以上アメリカ国内に居住している

言い換えると、この3点をクリアしていれば、誰でも立候補する事ができるということです。

アメリカ大統領選挙の流れ

1852年以後の大統領は全て、共和党員か民主党員であるように、大統領、連邦議会議員、知事、州議会議員は主に「共和党」と「民主党」から選ばれます。

アメリカの大統領選挙には、2つの段階があります。

はじめに、共和党・民主党の各党が、立候補した大統領候補者をそれぞれ絞り込んでいき、各党の代表者を決める「予備選挙」。
次に、共和党・民主党の最終代表者同士で大統領の座をかけて争う「本選挙
となっています。

予備選挙では…

予備選挙では、国民は「代議員」に投票します。
1月から7月まで、共和党では全米50州で「予備選」または「党員集会」が行われます。 (予備選は非公開投票、党員集会は公開投票で、州によってそのルールは異なります)。今年は、2月3日のアイオワ州での民主党党員集会を皮切りに予備選挙の戦いが始まるようです。

この予備選・党員集会では、各州の有権者が、自分が選びたい候補者を支持している「代議員」に投票します。代議員は州によって人数が異なり、人口に比例して配分されています。

この結果、各候補が得票に応じた代議員の人数を獲得し、この獲得人数が多い方が優位に立ちます。その過程で、勝ち目がないと思った候補者は自ら撤退していきます。

予備選挙の最大の山場は「スーパーチューズデー」と呼ばれる3月第1週の火曜日(今年は2020年3月3日)で、予備選・党員集会が最も多くの州で行われで、代議員のおよそ3分の1が決まります。

そして、これら予備選挙・党員選挙の結果を受けて民主党・共和党それぞれ1名ずつの合計2人の候補者が指名されるのです。

本選挙では…

予備選挙のあとは、いよいよ本選挙になります。本選挙は「一般投票」つまり有権者が有権者が各州の「選挙人」を選んで投票します。(今年は2020年11月3日の予定)

「選挙人」は、予備選挙の「代議員」と同じように、どちらの候補を支持しているか表明しているので、有権者はどちらかの党のグループに投票し、間接的に大統領を選びます。

選挙人の総数は538人。
その過半数の270人以上を獲得した候補者が、大統領となるわけです。

2020年11月3日は、国際政治にも大きく影響を与える日となることは間違いないでしょう。

トランプ大統領が裁判にかけられる!?

今アメリカでは、トランプ大統領が「弾劾裁判」にかけられている事で世間を賑わせています。
そもそも、弾劾裁判とはなんでしょうか?
弾劾裁判とは、アメリカ大統領を罷免するための特別な裁判制度を指します。

アメリカ合衆国憲法において、

「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば解任される

と規定されており、また下院が「弾劾の権限を専有する」とも規定しています。

弾劾裁判の手続きとしては、まず議会下院で大統領を裁判にかけるかが決議されます。この下院で過半数以上の賛成を得ると、上院での裁判に移れるのです。
今回は、「権力乱用」と「議会妨害」の2つについて決議が行われましたが、どちらも過半数以上(「権力乱用」230対197「議会妨害」229対198 )で賛成となりました。
共和党のトランプ大統領に対し、アメリカの下院では民主党議員の数が多いので、この結果は予想通りとも言えます。

上院では、まず今後の裁判の進め方について審理したあと、検察と弁護側がそれぞれ意見を述べる冒頭陳述を行います。そして、質疑が行われた後に、陪審員役である上院議員が有罪か無罪かを採決します。ここで、出席議員の3分の2以上が有罪とした場合にトランプ大統領の罷免、解任が決まります。

では、今回の疑いの内容についてを見てみましょう。

事の発端は、2019年9月に出た「ウクライナ疑惑」です。

ウクライナ疑惑とは…

2019年9月、トランプ氏とウクライナ大統領との電話会談において、2020年総選挙で有力なライバルとなる可能性のある民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子について捜査するよう働きかけたとされる通話記録をホワイトハウスが公表しました。
また、その捜査要求と引き換えにウクライナへの軍事援助4億ドルの凍結解除を提示したとされました。自分の政治ライバルを倒すために「権力乱用」が行われたのではないかとの疑惑です。

さらにこれを受け、下院民主党が疑惑について調査を開始するとトランプ大統領は関係者の証言を次々と阻止しました。これが「議会妨害」として審議されます。

上記のように、下院では過半数以上の賛成を得て、トランプ大統領は弾劾訴追された史上3人目の大統領となったのです。(1人目:1868年アンドリュー・ジョンソン(民主)→下院訴追、上院で「無罪」2人目:1998年 ビル・クリントン(民主)→下院訴追、上院で「無罪」)
ただし、過去の2人とも上院では無罪となっています。

今後の動きは?

2020年1月21日(日本時間22日)、トランプ大統領の正式な弾劾訴追を受け、上院でも弾劾裁判の審理が開始されました。
出席議員の3分の2以上が「有罪」に賛成した場合、トランプ大統領は罷免されることになりますが、トランプ大統領の所属する共和党が多数派を占める上院で出される決定は一体どうなるのでしょうか?
日本と強い関わりを持つアメリカの大統領。国は違えど、人ごととは言えません!

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