「二刀流」の新ルールによって大谷の価値が増す可能性

メジャーリーグの舞台で本格的な「二刀流」にチャレンジしている大谷翔平はエンゼルスに大きな価値をもたらしているが、今季から導入される新ルールによって大谷の価値がさらに増す可能性がある。MLB公式サイトでは、エンゼルスの番記者を務めるレット・ボーリンガーが新ルールの導入を踏まえ、大谷の「二刀流」がエンゼルスにもたらすメリットについて分析している。

メジャーリーグでは今季から投手・野手という区分のほかに「二刀流」というステータスが登場する。投手として20イニング以上、野手としてスタメン20試合以上(1試合3打席以上)に出場すれば「二刀流」として認定され、投手としても野手としても自由に試合に出場できるようになる(今季から野手の登板には点差など一定の制限が加えられている)。

大谷は昨季、投手として1試合も登板していないため、このルールに当てはめれば今季20イニングを投げるまで「二刀流」と認定されないことになる。ただし、エンゼルスは大谷が昨季登板できなかったのは故障の影響であるとして、メジャーリーグ機構に例外措置として開幕から大谷を「二刀流」として認定することを求めており、2018年の実績を考慮してエンゼルスの主張が認められる可能性があるようだ。

今季からアクティブ・ロースターの枠が25から26に拡大されるものの、投手は最大13人までと決められている。しかし、「二刀流」に認定された選手は投手としてカウントされないため、エンゼルスは大谷のほかに投手を13人、要するに合計14人の投手をロースターに入れることが可能となる。投手力に不安を抱えるエンゼルスにとって、これは大きなメリットと言えるだろう。

また、「二刀流」に認定された選手は、投手として故障者リスト入り、野手として試合に出場といったことも可能になる。よって、投手としてはレギュラーシーズン開幕に間に合わない見込みの大谷は、マイナーで調整登板を続けながら、指名打者としてメジャーの試合に出場し続けることができるというわけだ。今季から導入される「二刀流」の新ルールは、エンゼルスに大きな追い風となり、大谷の価値を増大させることになりそうだ。

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