「日常会話はできるし…」「どうせ数年後に日本に戻るし…」と言いながら、バイリンガルの友人がうらやましい、そこのあなた。今年こそ本腰入れて、英語力を鍛えてみない? (取材・文/南あや)
こんなはずじゃなかったのに… 上達しない原因は何?
「ニューヨークで暮らしているなんてかっこいい! きっと英語ぺラペラだね」
「5年もいるのなら、映画を完璧に理解して、英語でジョークも言えちゃうんでしょ?」
こんなことを言われて顔が引きつった経験は、ニューヨークに住む日本人なら、おそらく誰しも一度はあるだろう。
「英語圏で生活していれば、自動的に英語が上達する」という考えは幻想に近い。今回、読者に事前アンケートを募ったところ、81%もの人が、「アメリカに来てからの上達は思ったより遅い」と回答したのだ。
「通じない」わけじゃない
とはいえ、その多くは全く話せないのではなく、「そこそこ英語ができる」と考えている。
同アンケートでは、発音、リスニング、英会話、発音、読解の5項目について、読者に実力を5点満点で評価してもらった。すると全項目で、3点を付けた人が続出(いずれも40%前後)。逆に5点満点は3項目で10%程度で、5点満点が唯一16%まで上ったのは、英会話だった。
つまり、多くの人は英語力が伸び悩んでいる。そして、一応意思表示はできるが、細部まで聞き分け、正しく書き起こすことは苦手らしい。
読者の英語攻略法は?
実践していた人が最も多かった英語学習法は、ドラマや映画、動画コンテンツを「観る」ことで、68%が該当。次点で、新聞・雑誌を「読む」こと(58%)が多かった。
一方、「語学学校に行く(19%)」「現地イベントに行く(26%)」「会話練習の時間を設ける(10%)」など、対人で英語練習を行っている人の割合は少ない。
しかし、「ある程度英語が上達した」と自負する先輩読者たちのアドバイスは容赦ない。「習うより慣れろ」(Hotaruさん/在米30年以上)、「とにかく英語で話す機会を作って、少しでも英語を使うこと」(うさぎさん/10年以上)、「実践あるのみ」(Ayakoさん/4年)と、対人練習の必要性を解くものが多かった。
「聞くは一時の恥。疑問に思ったり分からなかったり、自信がない時には他人に聞いて確認する」(パオパオパオさん/10年以上)
「英語が下手な人は、自信のなさによる口ごもった話し方で、相手に伝わっていないような気がします」(NoVa no Nihonjinさん/20年以上)
「一番大切なことは、文法の間違いや外人訛りの発音を気にし過ぎず、文の最後まで言い切ること」(Keiko-JALFさん/30年以上)
なかなか鋭い指摘に、ギクリとする人も多いはず。
今年こそ意識改革だ
コミュニケーション能力を1人で向上させるには限界がある。昨年までは、なんとなくニューヨークで暮らして様子見していた人も、今年は恥を捨てて自ら困難にぶつかっていく、あるいは英語教育の専門家に習いに行くという、地道な努力を積んでみてはいかがだろう。あと一歩の努力で、当地でのビジネスチャンスに手が届くかもしれない。