戸田恵梨香が「スカーレット」を語る! 台本を読んで涙が止まらなくなったセリフとは?

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NHK総合で放送中の連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜午前8:00=NHK大阪放送局制作)でヒロイン・川原喜美子を演じる戸田恵梨香が、物語の終盤を前にして、ここまでの心境をじっくりと語った。

ドラマは、滋賀県の焼き物の名産地・信楽を舞台に、戦後の高度経済成長期に男性ばかりの陶芸の世界で、女流陶芸家の草分けとして歩み始める喜美子の奮闘を描くストーリー。陶工である八郎(松下洸平)と結婚し母となる一方で、弟子にも愛情をこめて接する喜美子は、陶芸にかける情熱は誰にも負けないキャラクターだ。

2019年に印象的だったシーンに、イッセー尾形演じるフカ先生(深野心仙)との共演シーンを挙げた戸田は、「フカ先生とのシーンは忘れられないぐらい自分にとって宝物です。一人芝居をしていらっしゃるイッセー尾形さんのお芝居を目の前で見ることができるなんて、たったひとりの観客みたいなものなので、それを味わえたのは本当にこの上ない、ぜいたくなことだなと思いました。喜美子もそうですけれど、私自身もフカ先生についてくという確固たるものができて、フカ先生がいなくなるのはとてもさみしかったです。ずっとフカ先生との時間が続けばいいのになぁと、願わずにはいられませんでした」と回顧。

1月13日から放送された第15週「優しさが交差して」では、喜美子と八郎のお互いへの思いが絡み合う様子が描かれたが、「15週は喜美子が久しぶりにものづくりに対して燃える気持ちを思い出して没頭していくので、『ああ、喜美子のこの姿が見たかった』と思った週でした。ハチさんのことも支えたい、でも同時に、絵付け小皿も頑張りたいっていう二つの欲が同時に生まれて、どうバランスをとればいいのか喜美子は分からなかったけど、ハチさんが背中を押してくれました。だから、ハチさんのことは三津(黒島結菜)に任せる、と喜美子が決断できたのだと思います。ただ、それをきっかけに三津の八郎に対する気持ちが膨れ上がっていくので、よかったのかどうかはちょっと分からないですけれど、喜美子と八郎がそれぞれ陶芸家として大きく一歩進んだところなので、そこはよかったと思いました」と感想を語る。

八郎に思いを寄せる三津(黒島結菜)に対しては「喜美子は、『ハチさんを信じている』という気持ちです。いままで積み上げてきたハチさんとの関係、愛情や絆というものに自信があるから、『ここは口出ししなくてもいい』と判断する。それは『妻の強さ』かなあと思いました。陶芸の師匠と弟子としても、女の意地っていうのがあるのかなと思いました。三津がもっと恋愛の駆け引きを仕掛けてくる子だったら、ハチさんがもうクビにしているはず。それでも、喜美子がハチさんに新しい風を吹かせたいと考えて、三津を弟子入りさせました。最初は、ハチさんも『いや弟子はいらない』と言っていたけれど、ちょこちょこっと三津から出るヒントになるような言葉をもらって、実際に作品をつくっていけるようになるから、やっぱり三津は2人にとっていなくちゃいけない存在だったんだと思うんです」と前向き捉えていた様子。

また、1月20日から放送の第16週「熱くなる瞬間」では、喜美子の家に照子(大島優子)と信作(林遣都)が集まり、幼なじみ3人で夜通し語り合う印象的なシーンが描かれた。「この3人がそろうと、やっぱりこれこれ!という感覚になるんです。これが欲しかった!という感じ。一番落ち着くし、楽しいし、喜美子の人生の真ん中にあるのがこの2人なんだなあと思いました。この3人で集まった途端に、完全にタイムスリップできるんです。こういう経験って私自身はなかなかできないので、子どものころから過ごしている人たちって強いんだなと思いました」と笑顔を見せる。

そして、1月27日から放送の第17週「涙のち晴れ」では、八郎の応援を受け、喜美子が穴窯を作り、自然釉への挑戦を開始する姿が描かれている。「喜美子は、ハチさんや家族みんなが、やりたいことをやってみたいという喜美子の気持ちを後押ししてくれることにありがたさを感じたと思います。それと同時に、失敗してなるものかという責任感もむくむくっと沸き上がってきたんです。それなのに、何度も失敗が続きました。穴窯をつくる前は、ちゃんと売れるものをつくらなきゃいけないと話していた喜美子が、『売れなくてもいい、自分のつくりたいものをつくる』と言いだして…考え方も発言もまったく変わってしまいます。今まではお金を大事に、家族のために一生懸命やってきた人が、家族がだめになってもやり続けるっていう狂気に似た熱意を持ち始めるんです。ほんとうに自分がやりたいことと出会ったときって、いままで自分が積み上げてきたものもなかったことになるくらい、そっちに突き進んでしまうんだなと。天才になる人の片りんを見た気がしました」。

さらに「17週あたりになると、喜美子はなんとしても自然釉というものを完成させたいという気持ちが強くなるんです。窯だきに使うお金について、ハチさんが『武志のためのお金やろ』というのも正論なのですが、喜美子には武志のお金を使って申し訳ないという気持ちはひとつもないんです。ハチさんと離れてからは、ハチさんと離れたことに対して武志に申し訳ないという気持ちを持つけれど、お金に対してはないんです。恐怖と責任を負っているし、絶対に成功させてやる、成功するまではやめたらいけない、それこそすべてが水の泡になる、と考えているのだと思いました」と喜美子の心情に理解を示す。

そして「喜美子が穴窯を作ると決め、成功を目指し没入していくころから、急に喜美子の人が変わったようになるんです。第17週100回(1月30日)の放送で、照子が喜美子のもとにきて、『目え、覚ませ』と言ったとき、喜美子は『ひとりもええなあ』と返しました。このセリフが17週まで演じてきた中で一番印象に残ったセリフです。一番衝撃的で、台本を読んだときに涙が止まりませんでした」と告白。「『ひとりもええなあ』というのは、今までの自分の人生を全部否定するような言葉じゃないですか。今まで、ずっと誰かのために生きてきて、それが喜美子の幸せでもあって、心の支えでもあったのに…。こんな重い言葉があるのだと、鳥肌がたちました」と今後の展開につながるであろう喜美子のセリフの言葉の重さに、胸を打たれたようだった。