ベントレー7号車が暫定首位。ニッサンGT-Rも5番手の好位置キープ/バサースト12時間 決勝6時間後

 オーストラリアのマウント・パノラマ・サーキットで開催されているリキモリ・バサースト12時間レースは現地時間2月2日(日)11時45分にレース折返しを迎え、ベントレー・チームMスポーツの7号車ベントレー・コンチネンタルGT3がスタートから6時間時点の総合トップに立っている。

 バサースト12時間はオーストラリアを代表する耐久レースイベントだ。南半球の夏季に行われる同レースはIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの1戦に組み込まれており、2016年から5年連続でシリーズ開幕戦の舞台となっている。
 
 そんな2020年大会には39台がエントリーしていたが、走行初日にFP1でクラッシュを喫したKCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3が早々に姿を消したことに始まり、予選日もマシンの修復が困難と判断されるアクシデントが頻発。計4台がスタート前にリタイアを決めたため、決勝のスターティンググリッドに並んだのは34台となった。

 迎えた決勝は夜明け前の5時45分にフォーメーションラップがスタート。この時点で時計のカウントダウンが開始され、約5分後に実質的なスタートが切られた。このスタートで好ダッシュを見せたのは、メルセデスAMGチーム・グループM・レーシングの999号車メルセデスAMG GT3で、予選3番手から上位2台を一気に交わして首位に浮上する。

 しかし22分後、8周目に予選2番手から首位を追っていた59レーシング/EMAレーシングの60号車マクラーレン720S GT3が999号車メルセデスをオーバーテイクしてトップに。ベン・バーニコート駆るマクラーレンはそのまま最初の1時間を総合トップで通過していく。

 その後、スタートから1時間30分を迎える直前から3時間まではコースの山側でクラッシュが相次ぎ、セーフティカーが3回出動する荒れた時間帯に。この間に各チームのストラテジーに差が出たことで、3時間以降はピットタイミングごとにトップが入れ替わる展開となっている。
 
 そんななかで存在感を示しているのは999号車メルセデスと60号車マクラーレン、そして予選11番手から追い上げてきた7号車ベントレーだ。
 
 スタートから5時間時点に続きハーフウェイもトップで通過した7号車ベントレーの背後には、約2秒差でメルセデスAMGチーム・クラフト・バンブー・ブラックファルコンの77号車メルセデスAMG GT3がつける。60号車マクラーレンはトップから約18秒差の3番手。総合4番手にはメルセデスAMGチーム・トリプルエイト・エンジニアリングの888号車メルセデスAMG GT3が続いている。
 
 ここまで好調な走りを見せていた999号車メルセデスは4回目のルーティンピットイン時に作業違反があり、15秒のペナルティストップを課されて7番手に後退した。ポールシッターのアブソリュート・レーシング、911号車ポルシェ911 GT3 Rはタイヤのパンクに加えて999号車と同様のペナルティを受けたことで総合13番手となっている。
 
 日本車勢は予選4番手からスタートしたKCMGの18号車ニッサンGT-Rが一時、表彰台圏内を走行。コース上では高い戦闘力をみせており、現在の総合5番手からレース後半戦に向けてさらなる上位進出を狙う。
 
 ホンダレーシング・チームJASの30号車ホンダNSX GT3はグリッド順位からポジションを10個上げる力走を見せていたものの、スタートから2時間を前にトラブルが発生したため一度ガレージに収められてしまう。これにより一時は総合28番手まで順位を落としたが、現在はコースに復帰し総合23番手を走行中だ。

メルセデスAMGチーム・クラフト・バンブー・ブラックファルコンの77号車メルセデスAMG GT3
ホンダレーシング・チームJASの30号車ホンダNSX GT3 Evo
アブソリュート・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 R
オレンジ1・FFFレーシングの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo

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