若手俳優ら、喜びもひとしお ヨコハマ映画祭表彰式

壇上に並ぶ「第41回ヨコハマ映画祭」の受賞者ら=関内ホール

 横浜の映画ファンが中心になって運営する映画の祭典「第41回ヨコハマ映画祭」の表彰式が2日、横浜市中区の関内ホールで開かれた。日本映画界の今後を担う若手俳優や製作陣が映画への思いを熱く語り、会場に詰め掛けた約千人の観客から大きな拍手が送られた。

 「宮本から君へ」で、暑苦しくもいちずで憎めない熱血営業マンを演じた池松壮亮さんは、自身2度目の主演男優賞を受賞。トロフィーを見つめながら「監督とはぶつかり合うこともあったけれど、共に変化を恐れず、勇気を持って映画づくりをしたスタッフを誇りに思う」としみじみと語った。

 音楽に打ち込む若者たちの感情をみずみずしく描いた「さよならくちびる」は、門脇麦さんと小松菜奈さんが主演女優賞をダブル受賞したほか、成田凌さんが助演男優賞、四宮秀俊さんが撮影賞をそれぞれ受賞。壇上では、門脇さんと小松さんがギターの弾き語りに挑戦したことが話題に上り、「歌が苦手で、泣きながら練習した」と明かす小松さんを、成田さんが「主演の2人の努力のかいもあり、楽しい撮影だった」とねぎらった。

 作品賞に輝いた「火口のふたり」の荒井晴彦監督は特別大賞を受賞。1982年の第3回で脚本賞を受賞したことを振り返り、「初めて僕のことを評価してくれた映画祭で、とてもありがたく思っている。この作品に出演してくれた俳優さんにも感謝したい」と喜びを語った。

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