河北春秋(2/3):最大で1日4万8千食を想定しているという…

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 最大で1日4万8千食を想定しているという。開幕まで半年を切った東京五輪の選手村で提供される食事の数だ。それだけ多くの食材が必要で、産地にとっては地元をアピールする機会になる▼「復興五輪」を掲げる政府や大会組織委員会は、東日本大震災の被災地の食材も使う意向を強調。橋本聖子五輪相は東京であった福島県主催のイベントで「産地を表示し、福島の食材を世界に発信したい」と話した▼ただし、過度な期待は禁物かも。関係者によると、セキュリティーの観点などから大会終了前に食材の詳細な調達先が公表されることはない。選手村でも表に出るのは都道府県名か市町村名程度。「仙台牛」などブランド名も表示されないとみられる。生産者名が出るはずもなく、「顔の見えない料理」になりそう▼こうした事情は産地側も承知している。食材提供に必要な第三者認証「GAP」取得に力を入れてきたふくしま未来農協(福島市)の担当者は「ぜひ、出したいという思いはある」と言うが、PR効果は「さほど期待していない」と冷静だ▼それでも「声が掛かれば大丈夫なように万全の態勢を整えている」と福島市の果樹農家。個々のPRよりも「各国に残る福島県産などの輸入規制の解除につながってほしい」と強く願う。(2020.2.3)