就職氷河期世代に都が7億円支援…その内訳とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。1月23日(木)の放送では、都が実施する「就職氷河期世代」への支援策について意見を交わしました。

◆就職氷河期世代に都が7億円支援

東京都は、都内でおよそ11~12万人と推計される「就職氷河期世代」の非正規雇用や無職の人々に対する支援策として、正規雇用や育成に関する企業への助成金支給や都職員の採用試験などを実施する方針を固めました。それらにかかる費用として、2020年度の予算案におよそ7億円を計上しています。

今回、都が実施予定の事業内容は以下の通りです(※カッコ内は予算規模)。

・年間300人を1人当たり最大3社まで約1ヵ月間企業に派遣し、派遣先とマッチング(約4億円)
・正社員としての雇用、定着に向けた育成計画策定や研修を実施した事業者に最大90万円を助成(約3億円)
・30代半ば~40代半ばを対象とした都職員の採用試験を実施(約4,000万円)

ゲッティイメージズジャパン代表の島本久美子さんは、「そもそもお金の使い道が、実際に失業している人たちに直接いくような形でないのが非常に残念」と感想を口にします。自身も代表を務めている立場であるだけに、「専門性がない人は履歴書の審査段階で大体落ちてしまう。日本はジェネラリスト(総合職)を育てるような仕事の仕方をするが、その人の専門性をどう身に付けていくかとか、基本的なパソコンソフトを使いこなせるようにするとか、教育面のほうが重要
だと思う。だから、(都が示した)お金の使い道で果たして効果があるのかどうか……」と疑問視。

MCの堀潤も「確かに仰る通り」と同意しつつ、「対策費用の予算の切れ目、そのあとはどうなるのかと言ったら元の木阿弥。人を育てたり、人を支援したりするほうにきちんと投入したほうがいい」と見解を示します。

国際弁護士の湯浅卓さんは、非正規雇用のうち女性が約7割を占めている現状が根本としてあると言及。さらに「島本さんが仰られたようなシニオリティ(先任権)の関係で人事上のいろいろな問題がある。直接的には、4,000万円を投じる都職員の採用が効くだろう。都がいろいろなことをやっている努力自体は評価したいけど、今後を見ていかないといけない課題だと思う」と話します。

番組Twitterに寄せられた視聴者からのメッセージのなかには、「企業への助成金と僅かな雇用を増やすだけで解決になるのか。就職氷河期対策をやっていますというアピールでは?」「社会経験がないと難しい。40代に起業支援するほうが良いのでは?」といった意見も。

キャスターの宮瀬茉祐子が、「ハローワークなどで職業訓練所のようなものはあるけど、そこに通っていても結局マッチングできていないという部分を考えると、企業が本当に求めている人材とはどういうものなのかがしっかりと提示されていないのではないか」と述べると、湯浅さんは「政府が、何らかの形で中小企業にもっと力を与えて、その延長線上で中小企業も人材を雇用できるように変えていけば、日本全体が少しアップする。もっと中小企業に力を与えるべき
」と主張していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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