【インタビュー】陸自水陸機動団2代目団長・平田隆則 陸将補 練度を高めて抑止力に

2代目の水陸機動団長として、意気込みや課題を述べる平田陸将補=佐世保市大潟町、陸自相浦駐屯地

 陸上自衛隊水陸機動団の2代目団長と、機動団の本部を置く長崎県佐世保市の陸自相浦駐屯地の司令に、平田隆則陸将補が着任した。抱負や、もうすぐ発足から2年を迎える機動団の課題について聞いた。

 -抱負を。
 陸自で唯一水陸両用作戦を担う部隊に所属する隊員のプライドとやりがいを感じる。この部隊を指揮できるのは無上の喜びだ。まだ創隊をして2年たっていないが、皆さんに支えられてここまで錬成している。第1水陸機動連隊は一定の能力を発揮できる状態にあるので、いかなる状況でも対応できるようにしたい。今年は特に第2水陸機動連隊の練度を高める。

 -あらためて機動団の役割は何か。
 (国際情勢は)非常に厳しい。中国は確実に軍事力の量、質ともに伸ばしている。その中で、どう向き合うかは重要だ。北朝鮮も特殊部隊の増強や戦力兵器の開発に余念がない。機動団が島しょを守る能力を示すことで、抑止力になる。

 -機動団は将来的に3千人規模になる見通しだ。人員の確保や運用面の課題についてどう考えるか。
 自衛隊全体が隊員の募集に苦労しているのが現状だ。特に機動団は精神的にも肉体的にも優秀な人材を集めなければならない。現在の隊員は6割強が九州・沖縄の出身者だ。全国からより多くの人を集める活動をしなければならない。運用は、海上自衛隊、航空自衛隊との連携がなければ成し得ない。限られた防衛予算の中で、陸海空それぞれが最適化を図っている。海自はさまざまな任務に追われており、われわれに専用の艦艇を用意するのは難しい。しかし普段から訓練できていなければ絶対に有事で運用できない。連携していきたい。

 -佐世保市民にメッセージを。
 地元の人に支えられなければ、われわれは存在できない。引き続きご支援をお願いしたい。

 【略歴】ひらた・たかのり 三重県出身。1985年3月入隊。特殊作戦群長(千葉県)や西部方面総監部幕僚副長(熊本県)などを歴任。佐世保には初めて赴任した。「魚などおいしいと聞いたので、食を楽しみたい。妻と一緒にいろいろな所に出掛けたい」。55歳。

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