連ドラ・スカーレットの「モデル」語る 女性陶芸家草分け「生意気だと怒られた」

女性陶芸家がいなかった昔の思い出を語る神山さん(草津市野路6丁目・草津クレアホール)

 信楽焼の女性陶芸家の草分けでNHK連続テレビ小説「スカーレット」のヒロインのモデルとされる神山清子さん(83)=滋賀県甲賀市信楽町=のトークが1日、草津市であり、男性社会だった陶芸界での苦労や骨髄バンク運動について語った。神山さんの生き方を描いた映画「火火」も上映され、約600人の来場者が熱心に見入った。

 性別に関わらず、誰もが力を発揮できる平等な社会を願い、市男女共同参画課と市民団体「くさつ☆パールプロジェクトチーム」が主催した。神山さんは作陶の傍ら、長男の故賢一さんの白血病をきっかけに、国内の骨髄バンク設立にも尽力した。
 上映会後のトークで、神山さんは「男社会の当時、女性陶芸家はいなかった。出品時にいじわるされ、入選時はねたまれた。笑い返すと生意気だと怒られた」と振り返った。離婚を機に奮起し、「信楽自然釉」を考案したことに触れ「結婚の間は失敗ばかり。離婚したからこそ今の私がある」と苦労を話した。
 また、湖国が発祥の地となった骨髄バンクの取り組みを通じて人の命や家族の絆の大切さを強調。「若い人たちにドナー登録してもらい、患者の命を助けてほしい」と訴えた。

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